隈病院の主要論文

当院から発表した主な論文をご紹介いたします。

58.Induction chemotherapy with weekly paclitaxel administration for anaplastic thyroid carcinoma.
Higashiyama T, Ito Y, Hirokawa M, Fukushima M, Uruno T, Miya A, Matsuzuka H, Miyauchi A:
Thyroid 20: 7-14, 2010.

甲状腺未分化癌は非常に予後が悪く効果的な治療戦略は未だ確立されていない。
今回9人のステージIVB患者と4人のステージIVC患者に対しウィークリーパクリタキセル投与による術前化学療法を行った。ステージIVBのグループで1人の完全奏効(CR)と2人の部分奏効(PR)が見られた。(奏効率33%)、ステージIVCで1人のPRが見られた(奏効率25%)。根治切除と補助療法がステージIVB患者の4人に対し行われ、32ヶ月経った現在、4人が無病生存中。ステージIVC患者の4人は全員、8ヶ月以内に原病死した。ウィークリーパクリタキセルによる術前化学療法はステージIVBの甲状腺未分化癌患者に対し期待される治療戦略である。

59.An observation trial for papillary thyroid microcarcinoma in Japanese patients.
Ito Y, Miyauchi A, Inoue H, Fukushima M, Kihara M, Higashiyama T, Tomoda C, Takamura Y, Kobayashi K, Miya A:
World J Surg 34: 28-35, 2010.

1 cmで被膜外進展がなく、リンパ節転移や遠隔転移が術前の画像検査ではっきりしないlow-riskな微小癌は症例を選べば、すぐに手術は必要ではなく、経過観察でよいのではないかという研究。Low-riskな微小癌の経過観察は、2010年度版の「甲状腺腫瘍診療ガイドライン」にも採用されている。

60.Excellent prognosis of patient with solitary T1N0M0 papillary thyroid carcinoma who underwent thyroidectomy and elective lymph node dissection without radioiodine therapy.
Ito Y, Masuoka H, Fukushima M, Inoue H, Kihara M, Tomoda C, Higashiyama T, Takamura Y, Kobayashi K, Miya A, Miyauchi A:
World J Surg 34: 1285-1290, 2010.

腫瘍径2cm以下でリンパ節転移、被膜外進展、遠隔転移のない症例はlow-riskであるので全摘や、ましてやアブレーションなどの治療は必要ないことを示した論文。日本ではさほど驚くにはあたらないが海外から見ればそうではなく、「日本の常識は海外に非常識」であることがよくわかる。

61.Benefit of short-term iodide supplementation to antithyroid drug treatment of thyrotoxicosis due to Graves’ disease.
Takata K, Amino N, Kubota S, Sasaki I, Nishihara E, Kudo T, Ito M, Fukata S, Miyauchi A:
Clin Endocrinol (Oxf) 72: 845-850, 2010.

バセドウ病治療初期に抗甲状腺薬とKIを併用して治療を開始すると、抗甲状腺薬単独で治療した時より早く甲状腺機能が正常化する。この併用治療法でバセドウ病甲状腺機能亢進症が増悪する例はなく、抗甲状腺薬の治療に抵抗性を示すこともなかった。併用群で寛解率が高かったが、有意差ではなかった。

62.Establishment of an intraoperative staging system (iStage) by improving UICC TNM classification system for papillary thyroid carcinoma.
Ito Y, Ichihara K, Masuoka H, Fukushima M, Inoue H, Kihara M, Tomoda C, Higashiyama T, Takamura Y, Kobayashi K, Miya A, Miyauchi A:
World J Surg 34: 2570-2580, 2010.

従来のUICC TNM分類を改良する形で、術中所見をとりいれて新たにStageを構築した研究。3cm以上のリンパ節転移やリンパ節転移の節外進展、さらには被膜外進展を術中所見で評価することなどが従来のTNM分類と異なるところである。

63.Subclinical nonautoimmune hyperthyroidism in a family segregates with a thyrotropin receptor mutation with weakly increased constitutive activity.
Nishihara E, Chen CR, Higashiyama T, Mizutori-Sasai Y, Ito M, Kubota S, Amino N, Miyauchi A, Rapoport B:
Thyroid 20: 1307-1314, 2010.

潜在性甲状腺機能亢進症を示す疾患は、軽症のバセドウ病や機能性甲状腺結節が主な原因と考えられてきた。この論文では、成人の非自己免疫性甲状腺機能亢進症が、本病態の原因であることを新たに明らかにしている。非自己免疫性甲状腺機能亢進症には、散発性と家族性があるが、比較的緩徐な経過を辿る家族性の症例でも、家系内で必ず幼少時期に顕性の甲状腺機能亢進症となると考えられてきたため、本疾患は鑑別に挙げられなかった。ここで報告されている成人の家族メンバーが甲状腺結節を合併した例も含め、潜在性甲状腺機能亢進症示していたが、原因はTSH受容体活性型変異(E575K)であることを、in vitroの解析を含めて報告している。今まで、原因の不明の潜在性甲状腺機能亢進症に、非自己免疫性甲状腺機能亢進症の可能性を示唆した初めての論文であり、今後鑑別疾患になり得ることを明らかにした。

64.Multiple thyroid cysts may be a cause of hypothyroidism in patients with relatively high iodine intake.
Kubota S, Fujiwara M, Hagiwara H, Tsujimoto N, Takata K, Kudo T, Nishihara E, Ito M, Amino N, Miyauchi A:
Thyroid 20: 205-208, 2010.

嚢胞が多発しており、甲状腺機能低下症を呈するような疾患群があることを世界で初めて報告し、Polycystic thyroid disease(多発嚢胞性甲状腺疾患)と名付けた。甲状腺自己抗体は陰性で細胞診にてもリンパ球は認めないため慢性甲状腺炎は否定される。ヨウ素過剰摂取により甲状腺機能低下症が生じやすく、高齢者に多い。後の調査で甲状腺機能低下症の約7%を占め、嚢胞は濾胞が拡大したものであることが判明した。

65.Prognostic impact of extrathyroid extension and clinical lymph node metastasis in papillary thyroid carcinoma depend on carcinoma size.
Fukushima M, Ito Y, Hirokawa M, Miya A, Shimizu K, Miyauchi A:
Department of Surgery, Kuma Hospital, Kobe, Hyogo, Japan.
World J Surg 34: 3007-3014, 2010.

甲状腺乳頭癌で甲状腺外進展(Ex)と臨床的外側区域リンパ節転移(N1b)はよく知られている。今回腫瘍径との関係を調べたところ、N1bの無再発生存期間に関する相対的危険度(RR)は<1.0cm群で最も高く、そして腫瘍径が大きくなるにつれ減少した。N1bのRRに比較して、ExのRRは<3.0cmの群ではより小さかったが>3.0の群ではより大きかった。甲状腺乳頭癌のExとN1bの予後因子としての重要性は腫瘍径によって変化することが分かった。

66.Prognostic impact of serum thyroglobulin doubling-time under thyrotropin suppression in patients with papillary thyroid carcinoma who underwent total thyroidectomy.
Miyauchi A, Kudo T, Miya A, Kobayashi K, Ito Y, Takamura Y, Higashiyama T, Fukushima M, Kihara M, Inoue H, Tomoda C, Yabuta T, Masuoka H:
Thyroid 21: 707-716, 2011.

甲状腺全摘後のTgAb陰性の甲状腺乳頭癌患者において、TSH抑制下(<0.1μIU/ml)に測定した血清Tg値が指数関数的に変化することを見いだし、計算したTg-DTが多変量解析にて旧来の臨床病理学的予後因子を押しのけて単一の予後因子となること、最初の4回の測定値から計算したTg-DTが極めて強力な予後予測因子であることを世界で始めた報告した。

67.Serum calcitonin levels with calcium loading tests before and after total thyroidectomy in patients with thyroid diseases other than medullary thyroid carcinoma.
Kudo T, Miyauchi A, Ito Y, Yabuta T, Inoue H, Higashiyama T, Tomoda C, Hirokawa M, Amino N:
Endocr J 58: 217-221, 2011.

カルシウム負荷試験は髄様癌あるいはその前段階のC細胞過形成の診断に有用である。しかし、健常者における正常値は不明であった。そこで、乳頭癌患者に甲状腺全摘術前後にカルシウム負荷試験を行った。術前にはカルシウム負荷試験に反応する症例が少なからず認められ、ピーク値200pg/ml以下は必ずしも異常値とは言えないこと、しかし、甲状腺全摘術後はカルシウム負荷に反応する症例は1例もなく、術後の髄様癌の遺残の有無の判定には有用であることを改めて示した。

68.Tumor thrombus of thyroid malignancies in veins: Importance of detection by ultrasonography
Kobayashi K, Hirokawa M, Yabuta Y, Fukushima M, Kihara M, Higashiyama T, Tomoda C, Takamura Y, Ito Y, Miya A, Amino N, Miyauchi A:
Thyroid 21: 527-531, 2011.

腫瘍塞栓は悪性の診断、手術術式の決定、肺転移の出現に意義がある。超音波検査で腫瘍塞栓の検出を検討した。7754例中9例(甲状腺癌6例、他臓器癌転移3例)に認めた。6例は内頚静脈内、3例は甲状腺静脈内に存在した。超音波検査では特徴的な静脈内腔のechogenic tongueを示した。甲状腺癌6例中3例に肺転移を認めた。腫瘍塞栓は臨床的に大きな意義があり、術前の超音波検査で検出を努力すべきである。

69.Final pathology findings after immediate or delayed surgery in patients with cytologically benign or follicular thyroid nodules.
Kihara M, Hirokawa M, Ito Y, Kobayashi K, Miya A, Miyauchi A:
World J Surg 35: 558-562, 2011.

細胞診で良性と濾胞性腫瘍に対するわれわれの手術適応規準が妥当かを調べた。診断後直ちに、またはしばらく(数年から数十年)経過観察した後になんらかの理由で手術をした症例445例を検討した。病理組織学的に悪性であったのは直ちに、またはあとで手術をした例のそれぞれ11.6 と 6.4%であった。術前超音波診断に悪性との相関がみられた。

70.Type 1 and type 2 iodothyronine deiodinases in the thyroid gland of patients with 3,5,3′-triiodothyronine-predominant Graves’ disease.
Ito M, Toyoda N, Nomura E, Takamura Y, Amino N, Iwasaka T, Takamatsu J, Miyauchi A, Nishikawa M:
Eur J Endocrinol 164: 95-100, 2011.

T4からT3に変換する脱ヨウ素酵素には2種類 (D1、D2)ある。バセドウ病では、通常T3優位となるが、その機序として脱ヨウ素酵素活性の亢進等が示唆されていたが、詳細は不明であった。筆者らはT3優位型バセドウ病患者及び通常セドウ病患者の摘出甲状腺組織中の脱ヨウ素酵素活性を検討し、本症患者においてはD1, D2酵素活性が通常型バセドウ病患者に比して有意に高いことを明らかにし、特にD2酵素活性の亢進がT3優位となる機序として大きく関与していることを明らかにした。本研究はClinical thyroidology やYear book of Endocrinologyで取りあげられており、注目度の高い研究と考えられる。

71.Ultrasonographic features of intrathyroidal parathyroid adenoma causing primary hyperparathyroidism.
Yabuta T, Tsushima Y, Masuoka H, Tomoda C, Fukushima M, Kihara M, Inoue H, Higashiyama T, Takamura Y, Ito Y, Kobayashi K, Miya A, Miyauchi A:
Endocr J 58: 989-994, 2011.

原発性副甲状腺機能亢進症の治療においては副甲状腺腫の局在診断が重要であるが、異所性副甲状腺腫の場合は診断に難渋することがある。異所性副甲状腺腫の一つである甲状腺内埋没副甲状腺腫は、その前面に線状高エコー像を認めることが多く、甲状腺結節との鑑別にきわめて有用な所見である。甲状腺内に埋没していても、副甲状腺腫は組織学的には甲状腺外に存在する。線状高エコー像は甲状腺および副甲状腺の被膜を反映していると考えられる。

72.Imaging studies in sixty patients with acute suppurative thyroiditis
Masuoka H, Miyauchi A, Tomoda C, Inoue H, Takamura Y, Ito Y, Kobayashi K, Miya A:
Thyroid 21: 1075-80, 2011.

下咽頭梨状窩瘻による急性化膿性甲状腺炎60症例の画像所見について検討した研究。本疾患に特徴的なエコー、CT、咽頭透視検査所見を炎症時期別に検討した。また破壊性甲状腺中毒症を伴う炎症性疾患として鑑別が問題となる亜急性甲状腺炎と本疾患のエコー所見の相違についても言及している。

73.TSH-suppressive doses of levothyroxine are required to achieve preoperative native serum triiodothyronine levels in patients who have undergone total thyroidectomy.
Ito M, Miyauchi A, Morita S, Kudo T, Nishihara E, Kihara M, Takamura Y, Ito Y, Kobayashi K, Miya A, Kubota S, Amino N:
Eur J Endocrinol 167: 373-378, 2012.

甲状腺全摘術後レボチロキシン(LT4)内服患者においては、甲状腺でのT3産生を欠くため、活性型ホルモンであるT3の相対的欠乏が生じうる。筆者らは、甲状腺乳頭癌で甲状腺全摘を施行し、LT4投与中の135例を対象に、甲状腺機能を術前と術後で比較検討した。その結果、術後TSH著明抑制群では、FT3値は上昇し、TSH軽度抑制群で、FT3値は術前と同等となり、TSH正常群では、FT3値が低下していることを明らかにした。本研究により、甲状腺全摘術後LT4治療において血中T3値を術前値にするには、TSH抑制量のLT4が必要であることが示された。

74.Prognosis and prognostic factors of papillary thyroid carcinoma in patients under 20 years.
Ito Y, Kihara M, Takamura Y, Kobayashi K, Miya A, Hirokawa M, Miyauchi A:
Endocr J 31: 539-545, 2012.

日本ではあまり若年者の乳頭癌についてまとめた論文がない。これは未成年の乳頭癌症例の予後をみた研究で、成人とは逆に年齢が若い(16歳以下)ほど再発予後は不良であることが判明した。

75.Prognostic factors for recurrence of papillary thyroid carcinoma in the lymph nodes, lung, and bone: analysis of 5,768 patients with average 10-year follow-up.
Ito Y, Kudo T, Kobayashi K, Miya A, Ichihara K, Miyauchi A:
World J Surg 36: 1274-1278, 2012.

甲状腺乳頭癌のリンパ節、肺、骨への再発因子および生命予後因子を検討した研究。年齢、3センチ以上のリンパ節、被膜外進展などがこれらの予後因子となるが、注目すべきは年齢(55歳以上)がもっともつよい生命予後因子となることである。従って高齢者の乳頭癌はstageにかかわらず慎重に治療をしなくてはならない。

76.Laryngeal approach to the recurrent laryngeal nerve involved by thyroid cancer at the ligament of Berry.
Miyauchi A, Masuoka H, Tomoda C, Takamura Y, Ito Y, Kobayashi K, Miya A:
Surgery 152: 57-60, 2012.

甲状腺癌はしばしばBerry靱帯付近で反回神経に浸潤する。このような症例において、従来は腫瘍切除後に喉頭内にて反回神経の末梢枝を見いだして神経再建していたが、これは難しい。本論文では、腫瘍摘出前に下咽頭収縮筋を切開して反回神経の末梢枝を見いだす手技を開発し報告した。これによって反回神経の鋭的剥離温存が容易となり、切除を要した場合には再建が簡単となる。

77.Undetectable serum thyroglobulin levels in patients with medullary thyroid carcinoma after total thyroidectomy without radioiodine ablation.
Tomoda C, Miyauchi A:
Thyroid 22: 680-682, 2012.

2011年のTg-DTの論文において甲状腺全摘術後に血清Tgが検出された症例の約50%がTSH抑制下の経過中にTgが低下しTg-DTは負の値となった。この論文においてはこれらの症例のTgが残存甲状腺組織由来か隠れた転移巣由来かが不明であった。本論文では、髄様癌全摘後の血清Tg値が測定感度以下であることから、前述の症例のTgが甲状腺全摘術後に遺残した正常甲状腺組織由来ではないこと、したがって、Tgは隠れた転移巣由来であること、それにもかかわらず経過中にTg値が低下することを示した。

78.Histopathological diagnoses of “accessory” thyroid nodules diagnosed as benign by fine-needle aspiration cytology and ultrasonography.
Kawai T, Nishihara E, Kudo T, Ota H, Morita S, Kobayashi K, Ito M, Kubota S, Amino N, Miyauchi A:
Thyroid 22: 299-303, 2012

甲状腺超音波検査(US)及び穿刺吸引細胞診(FNAC)で良性と判定された結節のほとんどは手術をしないため、病理組織で本当に良性か否か分からない。主病変が悪性で甲状腺摘出した症例において、合併していた副病変がUS及びFNACで良性と判定された結節の病理組織を調べた。126例中1例(0.8%)のみが悪性であった。US及びFNACで良性と判定された場合の偽陰性率は非常に低い。

 

18.Unilateral surgery supported by germline RET oncogene mutation analysis in patients with sporadic medullary thyriod carcinoma.
Miyauchi A, Matsuzuka F, Hirai K, Yokozawa T, Kobayashi K, Kuma S, Kuma K, Futami H, Yamaguchi K:
World J Surg 24: 1367-1372, 2000.

胚細胞性のRET遺伝子変異がある遺伝性髄様癌では腫瘍が多発性であるので甲状腺全摘が必須である。一方、RET変異のない真の散発性髄様癌においては、腫瘍は通常一側葉に限局しているので片葉切除でよい。RET遺伝子分析に基づく甲状腺切除範囲の選択を提唱し、真の散発性髄様癌では片葉切除でよいことを示した。わが国の内分泌外科医はこれに賛成しているが、欧米では未だに甲状腺全摘を推奨している。

19.Opposite ansa cervicalis to recurrent laryngeal nerve anastomosis to restore phonation in patients with advanced thyroid cancer.
Miyauchi A, Yokozawa T, Kobayashi K, Hirai K, Matsuzuka F, Kuma K:
Eur J Surg 167: 540-541, 2001.

甲状腺癌反回神経浸潤に対する頸神経ワナ・反回神経吻合が音声の回復に有用である。高度のリンパ節転移のため同側の頸神経ワナが再建に利用できない場合に、対側頸神経ワナ・反回神経吻合が可能であることを世界で初めて報告した。

20.Prospective trial of unilateral surgery for nonhereditary medullary thyroid carcinoma in patients without germline RET mutations.
Miyauchi A, Matsuzuka F, Hirai K, Yokozawa T, Kobayashi K, Ito Y, Nakano K, Kuma K, Futami H, Yamaguchi K:
World J Surg 26: 1023-1028, 2002.

胚細胞性のRET変異がない真の散発性髄様癌において、前向きに甲状腺切除範囲を片葉切除とした。術後の血清カルシトニン値の正常化率で結果を評価し、これで妥当であることを示した。

21.An observation trial without surgical treatment in patients with papillary microcarcinoma of the thyroid.
Ito Y, Uruno T, Nakano K, Takamura Y, Miya A, Kobayashi K, Yokozawa T, Matsuzuka F, Kuma S, Kuma K, Miyauchi A:
Thyroid 13: 381-387, 2003.

世界で初めて偶発的に発見された無症候性微小乳頭癌に対する非手術経過観察の報告。宮内の提唱に基づき始まった臨床トライアルの最初の報告。提唱後19年を経て、無症候性微小乳頭癌に対する非手術経過観察は治療方法の選択肢の一つとして隈病院では臨床的に定着している。

22.Serum concentrations of remnant-like particles in hypothyroid patients before and after thyroxine replacement.
Ito M, Takamatsu J, Matsuo T, Kameoka K, Kubota S, Fukata S, Tamai H, Miyauchi A, Kuma K, Hanafusa T:
Clin Endocrinol (Oxf) 58: 621-626, 2003.

甲状腺機能低下症においては、コレステロール(LDL)の代謝障害が生じることはよく知られている。TGrichリポ蛋白であるレムナントリポ蛋白は、近年、動脈硬化惹起因子として注目されているが、甲状腺機能低下症においては不明であった。筆者らは、新たに開発された定量的測定法を用い、甲状腺機能低下症においてレムナントリポ蛋白の代謝障害が生じていることを明らかにした。

23.Changes in serum TSH receptor antibody (TRAb) values in patients with Graves’ disease after total or subtotal thyroidectomy.
Takamura Y, Nakano K, Uruno T, Ito Y, Miya A, Kobayashi K, Yokozawa T, Matsuzuka F, Kuma K, Miyauchi A:
Endocr J 50: 595-601, 2003.

バセドウ病で甲状腺全摘と亜全摘後のTRAbの低下を比較した。術後1年目では両群に差異は見られなかったが、3,5および7年後には全摘群のほうがより有意に低下し、またTRAbの正常化率も高かった。

24.Disturbed metabolism of remnant lipoproteins in patients with subclinical hypothyroidism.
Ito M, Takamatsu J, Sasaki I, Hiraiwa T, Fukao A, Murakami Y, Isotani H, Miyauchi A, Kuma K, Hanafusa T:
Am J Med 117: 696-699, 2004.

潜在性甲状腺機能低下症は、血中甲状腺ホルモン値は正常であるが、TSH値が高値となる病態であり、近年その治療の可否等が問題となっている。筆者らは、潜在性甲状腺機能低下症患者にレムナントリポ蛋白の代謝障害が生じており、これが、甲状腺ホルモン補充療法によってTSHを正常化することにより改善することを報告した。

25.Thyrotoxicosis caused by weight-reducing herbal medicines.
Ohye H, Fukata S,Kanoh M, Kubota, Kuma K, Miyauchi A, Sugawara M:
Arch Intern Med 165: 831-834, 2005.

中国製の痩せ薬による甲状腺中毒症の最初の報告。痩せ薬に乾燥甲状腺末が含まれていることが判明した。その後、名前と形状を変えて次々と類似薬による甲状腺中毒症が報告された。

26.Computed tomography scan under a trumpet maneuver to demonstrate piriform sinus fistulae in patients with acute suppurative thyroiditis. .
Miyauchi A, Tomoda C, Uruno T, Takamura Y, Ito Y, Miya A, Kobayashi K, Matsuzuka F, Fukata S, Amino N, Kuma K: .
Thyroid 15: 1409-1413, 2005.

急性化膿性甲状腺炎を引き起こす下咽頭梨状窩瘻患者において、注射器の外筒を口にくわえ、トランペットを吹く要領で咽頭に空気圧を加えて頸部CTを撮影し、梨状窩瘻を空気で描出する方法を新たに考案した。梨状窩瘻の描出率はバリウムによる咽頭透視の方が高い。しかし、本法によって瘻孔の解剖学的な走行経路が明確となった。

27.Stretching exercises to reduce symptoms of postoperative neck discomfort after thyroid surgery: Prospective randomized study.
Takamura Y, Miyauchi A, Tomoda C, Uruno T, Ito Y, Miya A, Kobayashi K, Matsusuka F, Amino N, Kuma K:
World J Surg 29: 775-779, 2005.

甲状腺手術後の積極的ストレッチ体操の有無による術後頸部愁訴の比較。前向き無作為試験。術後1年まで経過観察。ストレッチ指導群が放任群に比べ有意に術後愁訴が少なく、この効果は術後1年まで続いた。甲状腺手術後ストレッチの指導は隈病院ではクリニカルパスとして現在も施行されている。

28.Successful use of iodine and levothyroxine to treat Graves’ disease in a pregnant patient with allergy to antithyroid drugs and high thyrotropin-binding inhibitor immunoglobulin after radioiodine therapy.
Kubota S, Ohye H, Sasaki I, Nishihara E, Kudo T, Fukata S, Amino N, Kuma K, Mitsuda N, Miyauchi A:
Thyroid 15: 1373-1376, 2005.

無顆粒球症のためATDが使用できないTRAb高値の妊娠女性に対して、KI丸とLT4の併用療法を行い、胎児バセドウ病を防いだ世界で初めての報告。満期出産したが、児は新生児バセドウ病を発症した。KI丸を投与しなければ胎児死亡に至った可能性が高い。

29.Diagnosis of follicular carcinoma of the thyroid: role of sonography in preoperative diagnosis of follicular nodules.
Kobayashi K, Fukata, Miyauchi A:
J Med Ultrasonics 32: 153-158, 2005.

濾胞癌の術前診断は困難であり、濾胞性腫瘍の手術適応の決定が必要である。濾胞癌109例、濾胞腺腫237例、腺腫様結節574例(計910例)を検討した。術前のTg値1000ng/ml以上、細胞診class?以上、超音波において充実性パターン、低エコーレベル、境界粗雑の各所見は濾胞癌に有意に多い所見であることをみつけた。濾胞性腫瘍の手術適応として臨床的に有用であり、日々これを使用している。

30.Usefulness of thyroglobulin measurement in fine-needle aspiration biopsy specimens for diagnosing cervical lymph node metastasis in patients with papillary thyroid cancer.
Uruno T, Miyauchi A, Shimizu K, Tomoda C, Takamura Y, Ito Y, Miya A, Kobayashi K, Matsuzuka F, Amino N, Kuma K:
World J Surg 29: 483-485, 2005.

甲状腺乳頭癌のリンパ節巣の穿刺吸引細胞診(FNAB-C)と、細胞診に用いた穿刺針の洗浄液でのサイログロブリン(Tg)測定(FNAB-Tg)による診断法とを比較した。FNAB-Tgは宮内昭、横澤保によって始められた方法であり、宇留野がデータを整理して報告した。感度はFNAB-TgおよびFNAB-Cでそれぞれ81.4% と78.0%であり、FNAB-Tgはリンパ節転移の診断に有用であった。

31.Two-day thionamide withdrawal prior to radioiodine uptake sufficiently increases uptake and does not exacerbate hyperthyroidism compared to 7-day withdrawal in Graves’ disease.
Kubota S, Ohye H, Yano G, Nishihara E, Kudo T, Ito M, Fukata S, Amino N, Kuma K, Miyauchi A:
Endocr J 53: 603-607, 2006.

バセドウ病において放射性ヨウ素内用療法を施行する際にATD中止期間を2日まで短縮できるかを検討した。7日間中止した場合は2日間に比べて有意に甲状腺ホルモンが上昇した。しかし両者の治療効果に有意差は見られなかった。治療効果と安全性からATD中止期間は2日で十分であると結論した。現在、隈病院ではATD中止期間は2-3日で放射性ヨウ素内用療法を施行している。

32.A prophylactic infusion of calcium solution reduces the risk of symptomatic hypocalcemia in patients after total thyroidectomy.
Uruno T, Miyauchi A, Shimizu K, Tomoda C, Takamura Y, Ito Y, Miya A, Kobayashi K, Matsuzuka F, Amino N, Kuma K:
World J Surg 30: 304-308, 2006.

甲状腺全摘術後にはテタニーが高頻度で発生する。手術当日の夜にカルチコールを予防的に投与すると翌日午前中までのテタニー発生が有意に低下することを報告した。宮内昭によって始められた予防法であり、宇留野がデータを整理して報告した。

33.Endemic goiter due to thyroglobulin gene abnormality and social ostracism.
Fukata S, Hishinuma A, Kuma K, Miyauchi A and Sugawara M:
Endocrine Journal 54: 485-486, 2007.

地理的および社会的に隔絶された集団におけるサイログロブリン遺伝子異常による甲状腺腫の高率発生の報告。なお、後日、同様の社会的に隔絶された別の集団においても同遺伝子異常による甲状腺腫の高率発生が見いだされた。

34.Risk factors for recurrence to the lymph node in papillary thyroid carcinoma patients without preoperatively detectable lateral node metastasis: validity of prophylactic modified radical neck dissection.
Ito Y, Higashiyama T, Takamura Y, Miya A, Kobayashi K, Matsuzuka F, Kuma K, Miyauchi A:
World J Surg 31: 2085-2091, 2007.

術前に外側区域に転移のない症例に対して、どういう基準で予防的な外側郭清を行うかを提言した論文。男性、55歳以上、腫瘍径3 cm以上、甲状腺被膜外進展(Ex2)が再発リスク因子であることを明らかにし、これらのリスク因子が2つ以上ある症例には予防的外側区域郭清を推奨した。現在、隈病院では、この報告に基づいて高リスクの症例に予防的外側区域郭清を行っている。

35.Ultrasonographic evaluation of thyroid nodules in 900 patients: comparison among ultrasonographic, cytological, and histological findings.
Ito Y, Amino N, Yokozawa T, Ota H, Ohshita M, Murata N, Morita S, Kobayashi K, Miyauchi A:
Thyroid 17: 1269-1276, 2007.

1996年横沢保、森田新二および宮内昭により導入された甲状腺腫瘤の超音波検査5段階のクラス分類結果を、穿刺吸引細胞診と病理組織所見との対比を、900例を対象に検討したものである。超音波検査5段階クラス分類が穿刺吸引細胞診とともに、高い診断精度があることを多数例で明らかにしたものである。第一回アメリカ甲状腺学会最優秀論文賞を受賞している。

36.Diagnosis of medullary thyroid carcinoma by calcitonin measurement in fine-needle aspiration biopsy specimens.
Kudo T, Miyauchi A, Ito Y, Takamura Y, Amino N, Hirokawa M:
Thyroid 17: 635-638, 2007.

髄様癌の細胞診はやや診断が難しい。小さい病変やリンパ節転移巣の穿刺吸引細胞診に加えて、細胞診に用いた穿刺針の洗浄液でのカルシトニン値測定による診断法。乳頭癌におけるもののアナロジー。宮内が始め、工藤がまとめた。世界的に最も早い報告の一つ。ATAの髄様癌取扱いガイドラインにも採用された。

37.Prognosis and prognostic factors of follicular carcinoma: Importance of postoperative pathological examination.
Ito Y, Hirokawa M, Higashiyama T, Takamura Y, Miya A, Kobayashi K, Matsuzuka F, Kuma K, Miyauchi A:
World J Surg 31: 1417-1424, 2007.

多数例の濾胞癌症例の予後を(この時点では)日本で最初に検討した論文。低分化成分や遠隔転移の存在がもっとも大きな予後因子であることを示している。

38.Effect of levo-thyroxine replacement on non-high-density lipoprotein cholesterol in hypothyroid patients.
Ito M, Arishima T, Kudo T, Nishihara E, Ohye H, Kubota S, Fukata S, Amino N, Kuma K, Sasaki I, Hiraiwa T, Hanafusa T, Takamatsu J, Miyauchi A:
J Clin Endocrinol Metab 92: 608-611, 2007.

動脈硬化指標として、LDL-コレステロール(LDL-C)(Friedwald法)がよく知られている。一方、近年、LDLのみならずVLDLやレムナントなど他の動脈硬化惹起因子を包括したNon-HDL-C(総C?HDL-C)が新たな動脈硬化指標として注目されている。筆者らは、顕性及び潜在性甲状腺機能低下症において甲状腺ホルモン補充療法によってNon-HDL-Cが有意に低下することを示し、本症における動脈硬化指標としての有用性を示した。

39.Lateral mobilization of the recurrent laryngeal nerve to facilitate tracheal surgery in patients with thyroid cancer invading the trachea near Berry’s ligament.
Miyauchi A, Ito Y, Miya A, Higashiyama T, Tomoda C, Takamura Y, Kobayashi K, Matsuzaka F:
World J Surg 31: 2081-2084, 2007.

甲状腺癌はしばしば喉頭入口部のBerry靱帯付近で反回神経や気管に浸潤する。反回神経を剥離温存してもこれが存在することで気管切除や気管皮膚瘻造設が困難となる。このような場合に、下咽頭収縮筋を切開し反回神経を外側に授動する手術手技を新たに考案した。

40.Clinicopathologic significance of intrathyroidal epithelial thymoma/carcinoma showing thymus-like differentiation.
Ito Y, Miyauchi A, Nakamura Y, Miya A, Kobayashi K, Kakudo K:
Am J Clin Pathol 127: 230-236, 2007.

第38回甲状腺外科研究会 当番世話人(宮内)アンケート調査の報告。
ITET/CASTLE 25例を収集。本腫瘍と胸腺癌に陽性であるCD5の診断における感度は82%、特異度は100%であった。これまで散発的な症例報告のみであったが、5年生存率90%、10年生存率82%と初めて生存率を報告した。根治的切除を受けた22例中の10例(45%)が補助的外照射を受けており、これらの症例には照射野に再発例はなく、外照射の有効性が強く示唆された。

41.Quantitative measurement of thyroid blood flow for differentiation of painless thyroiditis from Graves’ disease.
Ota H, Amino N, Morita S, Kobayashi K, Kubota S, Fukata S, Kamiyama N, Miyauchi A:
Clin Endocrinol (Oxf) 67: 41-45, 2007.

超音波検査による甲状腺の血流率の定量的測定法を網野の指導の下に世界で初めて開発した。バセドウ病は4%以上であったが、無痛性甲状腺炎や亜急性甲状腺炎の破壊性甲状腺中毒症では3.9%以下であり、これらの鑑別診断が出来ることを見出した。簡便・迅速であり、放射性ヨウ素摂取率検査が施行できない妊婦・授乳婦の鑑別診断において特に有用であるので、現在、臨床において施行されている。

42.Sustained fever resolved promptly after total thyroidectomy due to huge Hashimoto’s fibrous thyroiditis.
Kubota S, Matsuzuka F, Ohye H, Nishihara E, Kudo T, Ito M, Arishima T, Fukata S, Hirokawa M, Amino N, Miyauchi A:
Endocrine 31: 88-91, 2007.

有痛性橋本病で発熱を繰り返す難治性の症例には甲状腺全的が適応となる。

43.A novel homozygous missense mutation of the dual oxidase 2 (DUOX2) gene in an adult patient with large goiter.
Ohye H, Fukata S, Hishinuma A, Kudo T, Nishihara E, Ito M, Kubota S, Amino N, Ieiri T, Kuma K, Miyauchi A:
Thyroid 18: 561-566, 2008.

DUOX2の変異によるび慢性甲状腺腫の報告。

44.Prevalence and prognostic significance of poor differentiation and tall cell variant in papillary carcinoma in Japan.
Ito Y, Hirokawa M, Fukushima M, Inoue H, Yabuta T, Uruno T, Kihara M, Higashiyama T, Takamura Y, Miya A, Kobayashi K, Matsuzuka F, Miyauchi A:
World J Surg 32: 1535-1543, 2008.

世界ではじめて三種類の低分化癌(甲状腺癌取り扱い規約、WHO分類、トリノ会議)の頻度と予後を比較した論文。甲状腺癌取り扱い規約に基づく低分化癌は頻度が10%と一番多いが、必ずしも予後は多変量解析では有意に悪いとはいえず、現在の取り扱い規約にあるように、これらの低分化癌を乳頭癌や濾胞癌と切り離して別の疾患として扱うことに異議を唱えている。

45.3,5,3′-Triiodothyronine thyrotoxicosis due to increased conversion of administered levothyroxine in patients with massive metastatic follicular thyroid carcinoma.
Miyauchi A, Takamura Y, Ito Y, Miya A, Kobayashi K, Matsuzuka F, Amino N, Toyoda N, Nomura E, Nishikawa M:
J Clin Endocrinol Metab 93: 2239-2242, 2008.

甲状腺全摘後に大きい転移巣を生じた濾胞癌患者においてTSH抑制療法中にFT4の低下を認め、FT3が高値であること、LT4服薬を中止するとFT4,FT3が低下することを見いだした。腫瘍組織中の1型、2型Deiodinase活性が高いことを突き止めた。これらのことから、投与したLT4が濾胞癌転移巣においてT3に過剰に転換されたためにT3中毒症が起こったことを報告した。T3中毒症の新規の病因・病態の報告である。

46.The prevalence of transient thyrotoxicosis after antithyroid drug therapy in patients with Graves’ disease.
Kubota S, Takata K, Arishima T, Ohye H, Nishihara E, Kudo T, Ito M, Fukata S, Amino N, Miyauchi A:
Thyroid 18: 63-66, 2008.

ATD中止後の一過性中毒症について世界で初めて報告した。バセドウ病寛解群の41.2%がATD中止後に一過性の甲状腺中毒症を呈したが、その後自然寛解した。ATDを中止した後の甲状腺中毒症は、TRAbが上昇しても一過性である可能性があるため安易に再発と決めつけてはいけない。比較的年齢が若く、自覚症状が軽い場合にはATDをすぐに再開せずに1か月間経過を見るべきである。

47.Serial changes in liver function tests in patients with thyrotoxicosis induced by Graves’ disease and painless thyroiditis.
Kubota S, Amino N, Matsumoto Y, Ikeda N, Morita S, Kudo T, Ohye H, Nishihara E, Ito M, Fukata S, Miyauchi A:
Thyroid 18: 283-287, 2008.

バセドウ病のATD治療開始1か月後、53.3%に肝酵素の上昇が見られたが、ATDを中止しなくても改善した。無痛性甲状腺炎においても発症1か月後37%に肝酵素の上昇が見られた。バセドウ病における治療初期の肝酵素の上昇は必ずしも薬剤性の肝機能障害ではない。ATD治療開始後のAST, ALTの上昇が150IU/L程度までならばATDを中止せずに注意深く観察してもよい。

48.Serial changes in liver function tests in patients with subacute thyroiditis.
Matsumoto Y, Amino N, Kubota S, Ikeda N, Morita S, Nishihara E, Ohye H, Kudo T, Ito M, Fukata S, Miyauchi A:
Thyroid 18: 815-816, 2008.

亜急性甲状腺炎でもバセドウ病や無痛性甲状腺炎と同じように、AST,ALTの一過性上昇がみられることを初めて明らかにした。

49.Papillary carcinoma obscured by complication with subacute thyroiditis: sequential ultrasonographic and histopathological findings in five cases.
Nishihara E, Hirokawa M, Ohye H, Ito M, Kubota S, Fukata S, Amino N, Miyauchi A:
Thyroid 18: 1221-1225, 2008.

亜急性甲状腺炎は、可逆性の炎症性甲状腺疾患である。超音波所見で炎症低エコーは特徴的な所見であるが、結節病変の合併があったときに適切に鑑別できるか不明瞭である。治癒経過の臨床所見と病理像の推移の相関、また、甲状腺癌の合併時に、亜急性甲状腺炎による炎症が甲状腺癌の病理像に影響するかといった点を検討するため、甲状腺癌を合併した亜急性甲状腺炎症例のうち、発症から手術までの時期が異なる5症例から病理像の変化を比較検討した。その結果、亜急性甲状腺炎発症後3ヶ月目までは、超音波所見で炎症性低エコー域が消失していても、病理学的に線維化病変は残存し、その後は消失していく。また、癌組織に炎症性の線維化病変の進展はなく、正常甲状腺組織特有の現象であることを明らかにした。

50.Evaluation of chemocauterization treatment for obliteration of pyriform sinus fistula as a route of infection ausing acute suppurative thyroiditis.
Miyauchi A, Inoue H, Tomoda C, Amino N:
Thyroid 19: 789-793, 2009.

下咽頭梨状窩瘻による急性化膿性甲状腺炎は瘻孔を摘出しないと高率に再発する。瘻孔摘出術は容易ではなく、合併症も起こりうる。韓国ソウル大学のKimらによって考案された直達喉頭鏡下に梨状窩の瘻孔開口部を化学焼灼し、二次的治癒にて瘻孔の開口部を閉塞せしめる治療を世界で2番目、わが国で最初に施行し、12例に13回施行し11例で瘻孔が閉塞したことを報告した。約85%の成功率であった。この治療は現在も隈病院にて施行されている。

51.Improvement in phonation following reconstruction of the recurrent laryngeal nerve in patients with thyroid cancer invading the nerve.
Miyauchi A, Inoue H, Tomoda C, Fukushima M, Kihara M, Higashiyama, Takamura Y, Ito Y, Kobayashi K, Miya A:
Surgery 146: 1056-1062, 2009.

甲状腺癌のため反回神経合併切除を要した88例(58%は術前より声帯麻痺あり)に反回神経端々吻合、遊離神経移植、頸神経ワナ・反回神経吻合および迷走神経反回神経吻合(それぞれ、7,14,65,2例)で神経再建を行い、声帯の動きは回復しないが音声はほぼ回復することを最長発声持続時間(MPT)と発声効率指数(PEI; MPT/肺活量)で示した。MPTには性差があるが、我々が考案したPEIでは性差は消失するので男女の区別なく発声機能を評価できる。これはアメリカ内分泌外科学会で発表し、極めて大きい反響を得た。

52.Biological behavior and prognosis of familial papillary thyroid carcinoma.
Ito Y, Kakudo K, Hirokawa M, Fukushima M, Yabuta T, Tomoda C, Inoue H, Kihara M, Higashiyama T, Uruno T, Takamura Y, Miya A, Kobayashi K, Matsuzuka F, Miyauchi A:
Surgery 145: 100-105, 2009.

配偶者をのぞく一親等に分化癌の患者がいる乳頭癌の症例は、散発性とされる症例よりも予後不良であるという論文が海外から複数出ているが、当院の研究ではそうではなく、両者とも予後は変わらないことを示した論文。ただし、家族性ありの症例は散発性の症例よりも腫瘍が両側性、多発性であるものが有意の高率であった。

53.BRAF mutation in papillary thyroid carcinoma in Japanese population: its lack of correlation with high-risk clinicopathological features and disease-free survival of patients.
Ito Y, Yoshida H, Maruo R, Morita S, Takano T, Hirokawa M, Yabuta T,Fukushima M, Inoue H, Tomoda C, Kihara M, Uruno T, Higashiyama T, Takamura Y, Miya A, Kobayashi K, Matsuzuka F, Miyauchi A:
Endocrine J 56: 89-97, 2009.

海外ではBRAF遺伝子変異のある乳頭癌は予後不良であることが、ほぼコンセンサスとなっている。しかしながら当院の症例で検討したところそうではないという結果が出た。Negative dataではあるが、症例数が欧米の論文よりも多く、なぜこういう矛盾する結果になったのかは興味深いところである。

54.Methimazole-induced agranulocytosis in patients with Graves’ disease is more frequent with an initial dose of 30 mg daily than with 15 mg daily.
Takata K, Kubota S, Fukata S, Kudo T, Nishihara E, Ito M, Amino N, Miyauchi A:
Thyroid 19: 559-563, 2009.

メルカゾールによって生じる無顆粒球症が用量依存性であることを世界で初めて証明した論文である。当院ではバセドウ病を治療するにあたって1996年までは原則的にメルカゾール30mgを用い、1997年以後は15mgを用いてきた。30mg群と10mg群における無顆粒球症の発生率を比較した結果、30mg群の方が有意に高かった。結論としてバセドウ病の治療開始時にはメルカゾール15mgを用いた方が安全である。

55.MEN1 gene analysis in patients with primary hyperparathyroidism: 10-year experience of a single institution for thyroid and parathyroid care in Japan.
Kihara M, Miyauchi A, Ito Y, Yoshida H, Miya A, Kobayashi K, Takamura Y, Fukushima M, Inoue H, Higashiyama T, Tomoda C:
Endocr J 56: 649-56, 2009.

原発性副甲状腺機能亢進症のうち多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)に起因するものがあり、検査治療法などが異なるため術前の鑑別は重要である。原発性副甲状腺機能亢進症482例の遺伝子解析をおこなった。若年者(30歳以下)、多腺腫大、MEN1関連疾患、MEN1の家族歴の少なくともひとつがみられればMEN1である可能性がかなり高く、これらがあれば遺伝子検査を行うべきである。

56.Preoperative administration of excess iodide increases thyroid volume of patients with Graves’ disease.
Yabuta T, Ito Y, Hirokawa M, Fukushima M, Inoue H, Tomoda C, Higashiyama T, Kihara M, Uruno T, Takamura Y, Kobayashi K, Miya A, Matsuzuka F, Miyauchi A:
Endocr J 56: 371-375, 2009.

バセドウ病の術前にはヨウ化カリウム丸を投与することが多いが、術直前に甲状腺腫の増大に気づくことがある。そこでヨウ化カリウム丸投与群において、投与前後での甲状腺腫の推定重量を比較したところ、非投与群と比較し有意に増加していることが分かった。ヨウ化カリウム丸投与は血流を減らして出血量の減少が期待できる一方、甲状腺腫の増大を来す可能性があり、特に巨大な甲状腺腫を伴うバセドウ病では注意が必要である。

57.A patient with primary hyperparathyroidism associated with familial hypocalciuric hypercalcemia induced by a novel germline CaSR gene mutation.
Yabuta T, Miyauchi A, Inoue H, Yoshida H, Hirokawa M, Amino N:
Asian J Surg 32: 118-122, 2009.

家族性低カルシウム尿性高カルシウム血症(FHH)の患者に原発性副甲状腺機能亢進症、甲状腺乳頭癌が合併したという症例報告。通常FHHによる高カルシウム血症に対して手術適応はないが、この症例では副甲状腺腫および乳頭癌を合併していたため、手術が施行された。

7.Piriform sinus fistula. An underlying abnormality common in patients with acute suppurative thyroiditis.
Miyauchi A, Matsuzuka F, Kuma K, Takai S:
World J Surg 14: 400-405, 1990.

43例の急性化膿性甲状腺炎を報告。74%で幼少期に発症、40:3と左側が多く、再発が高率。咽頭食道透視で38人に瘻孔を認めた。手術を辞退した16人中の6人で炎症が再発。瘻孔を摘出した29人ではその後の再発はなかった。手術例にて瘻孔の終末は側葉の内側6例、外側3例、側葉に接する6例、側葉に入る12例と側葉に接するかこれに入るものが多かった。梨状窩瘻が多いこと、完全摘出で再発が予防できることを示した。

8.Piriform sinus fistula and the ultimobranchial body.
Miyauchi A, Matsuzuka F, Kuma K, Katayama S:
Histopathology 20: 221-227, 1992.

梨状窩瘻のため甲状腺と瘻孔を摘出した15例において、瘻孔の近傍にC細胞の集簇が認められること、鰓後体の関連物とされるSolid cell nestが見られること、および頸部の解剖学的主要構造物と瘻孔との位置関係から、梨状窩瘻は胎生期に第4咽頭嚢の尾側にできる鰓後体からC細胞が発達上の甲状腺に遊走した際の遺残物であるとの説を提唱した。これは発生学の教科書The Developing Humanに採用された。

9. Clinical aspects of primary thyroid lymphoma: diagnosis and treatment based on our experience of 119 cases.
Matsuzuka F, Miyauchi A, Katayama S, Narabayashi I, Ikeda H, Kuma K, Sugawara M:
Thyroid 3: 93-99, 1993.

甲状腺悪性リンパ腫の診断法と治療法について、多数の自験例を分析した論文であり、非常に引用数が多い。悪性リンパ腫は橋本病をベースに生じ、甲状腺腫の急速増大を特徴とする。診断には超音波検査が有用で、非対称性の偽嚢胞性パターンを示す。穿刺吸引細胞診も有用である。診断の確定にはopen biopsyが必須である。6コースのCHOP化学療法と放射線外照射の併用により著明な効果を得ることができる。

10. Fate of untreated benign thyroid nodules: results of long-term follow-up.
Kuma K, Matsuzuka F, Yokozawa T, Miyauchi A, Sugawara M:
World J Surg 18: 495-498, 1994.

良性甲状腺結節の予後については不明であった。9-11年前に穿刺吸引細胞診にて良性甲状腺結節と診断された134名の患者について再検討を行った。86名が単発結節で、14名が多発結節、34名が嚢胞性結節であった。最も顕著な結果は、良性結節の42から79%においてサイズ縮小ないしは結節の消失を認めたことであった。結節の92%で細胞診のクラス分類に変化を認めなかった。1例(0.9%)のみが悪性となったが、この結節はサイズが増大していた。本研究により、細胞診で良性と診断された良性甲状腺結節は、長期経過観察でも良性を維持することが示された。結節が増大しない限り治療は不要である。

11. Ansa-recurrent nerve anastomosis for vocal cord paralysis due to mediastinal lesions.
Miyauchi A, Matsusaka K, Kawaguchi H, Nakamoto K, Maeda M:
Ann Thorac Surg 57: 1020-1021, 1994.

縦隔での反回神経損傷において縦隔での神経再建は極めて困難である。このような2症例において頸部にて頸神経ワナ・反回神経吻合を行うと声帯の動きは回復しないが音声が回復することを初めて報告した。頸神経ワナ・反回神経吻合としてはCrumleyらに続く世界で第二番目の報告である。

12. Thyroid cancer detected by ultrasound-guided fine-needle aspiration biopsy.
Yokozawa T, Fukata S, Kuma K, Matsuzuka F, Kobayashi A, Hirai K, Miyauchi A, Sugawara M:
World J Surg 20: 848-853, 1996.

穿刺吸引細胞診が、結節の術前悪性度の評価には最も信頼性のある検査方法である。この論文では、超音波ガイドの手法を用いることにより穿刺吸引細胞診の診断精度が改善することを、107名の術後病理所見との対比で確認している。それに加えて、この論文の特記すべき点は、超音波診断により結節の性状、内部所見、辺縁所見などをもとに5段階のクラス分類を行い、結節の悪性度の評価を提唱した点である。それまで超音波検査により質的診断が難しかった術前に結節の悪性度評価に対して、穿刺吸引細胞診とともに、高い診断精度があることを以後に続く論文でも再評価されている。このクラス分類評価方法は、現在まで当院での超音波診断の礎となるものである。

13. Incomplete thyrotroph suppression determined by third generation thyrotropin assay in subacute thyroiditis compared to silent thyroiditis or hyperthyroid Graves’ disease.
Ito M, Takamatsu J, Yoshida S, Murakami Y, Sakane S, Kuma K, Ohsawa N:
J Clin Endocrinol Metab 82: 616-619, 1997.

血中TSH値と血中甲状腺ホルモン値の逆相関関係は強固であり、従来のTSH測定法では、甲状腺中毒症における血中TSH値は、通常完全抑制状態(測定感度以下)であった。筆者らは、高感度のTSH測定法を用いることにより、バセドウ病や無痛性甲状腺炎では完全に抑制されているが、亜急性甲状腺炎において、TSHの抑制が不完全(測定感度以上)となることを報告した。破壊性甲状腺炎でTSHの抑制が不完全となることを初めて報告した研究である。

14. Gene rearrangement of immunoglobulin as a marker of thyroid lymphoma.
Matsuzuka F, Fukata S, Kuma K, Miyauchi A, Kakudo K, Sugawara M:
World J Surg 22: 558-561, 1998.

甲状腺悪性リンパ腫は病理組織学的にも診断が難しい。組織片におけるIgG JHの遺伝子再構成が診断に有用であることを初めて報告した。

15.The role of ansa-to-recurrent-laryngeal nerve anastomosis in operations for thyroid cancer.
Miyauchi A, Matsusaka K, Kihara M, Matsuzuka F, Hirai K, Yokozawa T, Kobayashi K, Kobayashi A, Kuma K:
Eur J Surg 164: 927-933, 1998.

甲状腺癌はしばしば反回神経に浸潤し声帯麻痺をきたす。このような患者において、反回神経端々吻合、遊離神経移植、迷走神経反回神経吻合に加えて、頸神経ワナ・反回神経吻合によっても声帯の動きは回復しないが音声が回復することを報告した。本術式の適応は広く、臨床的に極めて有用である。

16.Two germline missense mutations at codons 804 and 806 of the RET proto-oncogene in the same allele in a patient with multiple endocrine neoplasia type 2B without codon 918 mutation.
Miyauchi A, Futami H, Hai N, Yokozawa T, Kuma K, Aoki N, Kosugi S, Sugano K, Yamaguchi K:
Jpn J Cancer Res 90: 1-5, 1999.

MEN 2B様の表現型の甲状腺髄様癌患者において、RET遺伝子にCodon 804と806の2つの変異があること、806は父親から受け継いだものであり、これに804のde novoの変異が加わったものであり、両方の変異は同一染色体上にあることを報告した。RET遺伝子に2つの変異が起こって病原性が生じることがあることの世界で最初の報告である。後日談として、この患者は結婚して子供をもうけ、この内の一人がCodon 804と806の変異を受け継ぎMEN2B様の表現型を示した。遺伝子診断に基づき、当院にて発症前甲状腺全摘術を行い、病理検査にて微小髄様癌の多発を認めた。この事実によって、上述の報告内容が正しいことが証明された。

17.Successful autotransplantation of an adrenal gland using a new method of omental wrapping: Report of a case.
Miyauchi A, Kihara M, Matsusaka K, Nishitani A, Nishiyama Y:
Surg Today 29: 960-962, 1999.

両側性副腎褐色細胞腫症例では両側副腎を全摘すると一生涯副腎ホルモンの服用が必要となり、急性副腎皮質不全の危険性がある。副腎皮質を腹直筋内などへ自家移植の試みは成功しなかった。1症例であるが、細切した副腎皮質を大網に包み込むように移植したところ、これが生着し副腎機能が回復した事を初めて報告した。なお、この患者はその後、二回妊娠出産したが副腎機能不全をきたさなかった。

2.Piriform sinus fistula. A route of infection in acute suppurative thyroiditis.
Miyauchi A, Matsuzuka F, Takai S, Kuma K, Kosaki G:
Arch Surg 116: 66-69, 1981.


15例の急性化膿性甲状腺炎患者において梨状窩瘻が存在すること、幼児ないし小児に発症し、左側が多く、再発が高率であるが、瘻孔を摘出した8例では再発が起こらなくなったことを報告し、完全な瘻孔摘出術が再発予防のために必須であることを報告した。

3.Relation of doubling time of plasma calcitonin levels to prognosis and recurrence of medullary thyroid carcinoma.
Miyauchi A, Onishi T, Morimoto S, Takai S, Matsuzuka F, Kuma K, Maeda M, Kumahara Y:
Ann Surg 199: 461-466, 1984.

術後の血清カルシトニン値が異常高値であり癌の遺残が示唆される甲状腺髄様癌患者において、血清カルシトニン値が指数関数的に上昇すること、回帰直線の勾配から求めたカルシトニンダブリングタイム(CT-DT)が強力な予後因子であることを世界で初めて報告した。この報告から21年を経てやっと同様の報告がなされ、2009年のアメリカ甲状腺学会の髄様癌診療ガイドラインにCT-DTが予後因子として採用されるに至った。

4.Intrathyroidal epithelial thymoma: An entity distinct from squamous cell carcinoma of the thyroid.
Miyauchi A, Kuma K, Matsuzuka F, Matsubayashi S, Kobayashi A, Tamai H, Katayama S:
World J Surg 9: 128-135, 1985.


病理組織学的に扁平上皮癌に似るが予後がこれよりはるかに良好な3症例を胸腺関連の腫瘍と考え、Intrathyroidal epithelial thymomaと命名して報告した。新規の疾患概念の提唱である。これは後でCASTLE (Carcinoma showing thymus-like differentiation)と改名され、2004年WHOのTumours of Endocrine Organsにて新規の甲状腺悪性腫瘍として承認された。

5.Evaluation of surgical results and prediction of prognosis in patients with medullary thyroid carcinoma by analysis of serum calcitonin levels.
Miyauchi A, Matsuzuka F, Kuma K, Takai S, Nakamoto K, Nakamura K, Nanjo S, Maeda M:
World J Surg 12: 610-615, 1988.

甲状腺髄様癌において術後血清カルシトニン値が高値である患者においてカルシトニンダブリングタイム(DT)が予後因子であることを前回報告した。術前・術後のカルシトニン値と摘出腫瘍重量から遺残腫瘍重量を推定し、この腫瘍量が通常癌死にいたる1000gになるのに要するダブリングの回数βを算出すると期待生存期間はβDTとなるとの理論を考案し、実際の症例を呈示した。

6.Coexistence of thyroid-stimulating and thyroid-blocking antibodies in a patient with Graves’ disease who had transient hypothyroidism.
Miyauchi A, Amino N, Tamaki H, Kuma K:
Am J Med 85: 418-420, 1988.

甲状腺機能が亢進症から低下症へ、そして再び亢進症へと変化したバセドウ病患者において甲状腺刺激抗体と甲状腺阻害抗体が共存し、その割合が変化したことを報告した。バセドウ病患者において、刺激抗体と阻害抗体が共存すること、その割合の変化によって甲状腺機能が変動しうることを示した世界的にも極めて初期の症例報告である。

1.Internal fistula as a route of infection in acute suppurative thyroiditis.
Takai S, Miyauchi A, Matsuzuka M, Kuma K, Kosaki G:
Lancet 1: 751-752, 1979.


7例の急性化膿性甲状腺炎患者において咽頭食道透視を施行し、下咽頭から甲状腺に向かって走る内瘻を発見し、これが本疾患の感染経路であることを世界で初めて報告した。また、この内瘻を梨状窩瘻、pyriform sinus fistulaと命名した。筆頭著者は大阪大学の高井先生であるが、実際には隈病院にて発見された。