甲状腺乳頭癌

甲状腺乳頭[にゅうとう]癌

病気の特徴

甲状腺癌の種類のひとつで、一番多いタイプです。原因は不明で、痛みなどの症状はほとんどなく、症状があったとしても甲状腺のしこりや、リンパ節の腫れ程度です。乳頭という名前ですが、胸にある乳腺とは全く関係がありません。この癌細胞を顕微鏡で観察すると、癌細胞が「乳頭」のような形をつくっているので、この名前がつけられています。

甲状腺乳頭癌には、以下のような特徴があります。
  • ゆっくり発育し、性格がおとなしい症例が多い
  • 頚部のリンパ節への転移が多い
  • 肺や骨など遠隔臓器への転移は少ない
  • 進行すると、反回神経(声を出す神経)や気管に浸潤することがある
  • 約2~5%の確率で家族内発症がある

診断

血液検査、超音波検査、細胞診、CTなどの検査を行い診断します。

治療

基本的には、甲状腺の切除と、頚部リンパ節の郭清を行います。

手術後は、甲状腺ホルモン剤やビタミンD剤の服用が必要なことがあります(特に甲状腺全摘の場合)。
また、定期的に受診していただき、再発の有無を確認します。
手術後の経過は他の癌と比較すると良好です。特に中年以下の年齢層の方では良好です。

手術合併症については、かすれ声、リンパ液が漏れる、大声や高い声を出しにくい、出血(約1%)など、特に甲状腺全摘の場合には指先のしびれ(低カルシウム血症)が考えられますが、十分に注意して手術を行います。

家族性の甲状腺乳頭癌について

甲状腺乳頭癌の患者様のうち、2〜5%が家族内の複数の方に出現するといわれています。
遺伝が原因とされており、比較的若年者に多いのが特徴です。また、甲状腺内に癌が多発しやすいといった特徴があります。

治療としては、甲状腺全摘術と頚部リンパ節郭清術を行います。家族性甲状腺乳頭癌の発生頻度は低いですが、早期発見・早期治療が望ましいので、ご家族のなかで甲状腺乳頭癌の手術をされた方がいるときには、念のために甲状腺の検査をすることをお勧めします。

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