原発性副甲状腺(上皮小体)機能亢進症

原発性副甲状腺(上皮小体)機能亢進症

病気の特徴

副甲状腺の異常によって副甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、骨からカルシウムが血液中に溶けだし、血液中のカルシウム値が高くなり、これが尿中に多量に排泄されます。

1.骨が弱くなって、腰痛や関節痛を起こしたり、骨折しやすくなります。
2.尿路結石(腎結石)ができたり、腎機能障害がおきたりします。
3.高カルシウム血症のため、疲れやすい、うつ状態、頭がボーッとした感じ、血圧上昇、吐き気、嘔吐、胃十二指腸潰瘍、膵炎、のどの渇き、筋力低下などの多彩な症状が起こることがあります。
健診などで血清カルシウムを測定する機会が増え、無症状の原発性副甲状腺機能亢進症が偶然発見されるようになりました。この病気のため手術する方も年々増加傾向にあり、比較的頻度の高い内分泌疾患です。

症状

典型的症状は、腎尿路結石、骨病変です。最近は、典型的な症状はなく、健診などで高カルシウム血症が偶然発見され見つかる機会が非常に多くなりました。ただし、これらも十分注意深く診察すれば、術後頭のスッキリ感や抑うつ感が改善する場合もしばしば見られます。カルシウム値が非常に高い場合は、上述の「病気の特徴」の3つの症状が強くなります。

診断のための検査

当院では初診日に下記の1~3を実施し、4と5は予約後実施しています。

1.血液検査 / 尿検査
まず、カルシウム値の上昇を調べます。ほぼ正常上限のこともあるので、わずかな高値にも気を付けます。次に、副甲状腺ホルモン値の上昇を調べます。一般的には、腎における代謝の影響を受けない intact-PTH を測定します。

2.超音波検査
甲状腺に接して低エコー領域として描出されます。ドプラーではこの栄養血管を描出できるかどうかで、甲状腺結節やリンパ節との鑑別を行います。ただし、これらの鑑別には習熟が必要であり、甲状腺に結節性病変がある場合などは、副甲状腺の描出が困難になります。また、縦隔など異所性にある場合も描出できません。腫大した副甲状腺の縦横比が1以上の場合は、副甲状腺癌の疑いが強く、2腺以上の腫大がある場合は過形成を疑います。

3.骨塩量測定
腰椎、大腿骨、前腕骨の3ヵ所で測定します。

4.副甲状腺シンチグラム(MIBIシンチ)
特に縦隔などの異所性病変の有無の検索に必要です。

5.造影CT検査
病的副甲状腺腫大の部位診断に有用です。

まぎらわしい病気

軽度の高カルシウム血症を示し、血中のintact-PTHが少し高くなる病気には、原発性副甲状腺(上皮小体)機能亢進症の他に家族性低カルシウム尿性高カルシウム血症 (FHH)があり、血中・尿中のカルシウムとクレアチニンを測定して鑑別します。当院では診断時に必ずこれらの検査を実施しています。常染色体優性遺伝をします。

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治療

高カルシウム血症や骨塩量の低下などがあり、病的副甲状腺腫大の部位診断ができれば、治療の対象となります。

腺腫
  • 術式:腫大した副甲状腺を摘出
  • 病態:4つの副甲状腺のうち、普通は1つの腺のみが腫大します。
過形成
  • 術式:副甲状腺全摘(普通は4腺のためこれらを全部摘出)し、一部を自家移植
  • 病態:4つの腺がいずれも腫大します。家族性に発生したり、脳下垂体、膵臓、甲状腺などの他の臓器も異常を伴うことがあります。
癌(疑い)
  • 術式:周囲組織(甲状腺の一部、リンパ節など)を含めて切除
  • 病態:癌の場合、普通は1腺のみが腫大し、周りに浸潤したり、転移することもあります。

病気について