2018.12.05

甲状腺微小癌取り扱いのガイドライン作成が臨床重要課題に

2018年11月22日〜24日に開催された第61回日本甲状腺学会において「甲状腺微小癌取り扱いガイドライン作成」がこの学会の臨床重要課題に正式に決定され、日本医科大学内分泌外科杉谷巌教授を責任者とする委員会が発足することになりました。
ご存じのように当院では世界に先駆けて1993年から低リスクの甲状腺微小乳頭癌に対して直ちに手術をするのではなく、積極的経過観察を行い、もし少し進行したら手術を行う方針でこの疾病の管理を行ってきました。杉谷先生(当時、癌研病院)のグループも1995年から同様の取り組みを行ってきました。この二つの施設での成績はほぼ同様であり、腫瘍のコントロールが安全に行えること、声帯麻痺や副甲状腺機能低下症などの不都合事象の頻度は手術群より経過観察群の方が有意に低いこと、10年間の医療費は手術群の方が経過観察群の4.1倍であること、不思議なことに若年者より高齢者の方が病気の進行する率が低いことなどが明らかになりました。これらのことから、現在、隈病院では低リスクの甲状腺微小乳頭癌の患者さんには積極的経過観察を疾病管理の第一選択としてお勧めしています。
しかし、これを広く国内、あるいは世界に広めるためには、どの施設でも同じように行えるようにガイドラインを作成することが必要であると認識され、これが臨床重要課題に取り上げられました。大変喜ばしいことですのでご報告申し上げます。

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