2020.04.27

甲状腺の自己抗体 (こうじょうせんのじここうたい)

甲状腺の自己抗体

自己抗体とは

甲状腺疾患の中で、バセドウ病、慢性甲状腺炎(橋本病)は自己免疫性甲状腺疾患とも呼ばれ、自己(主に甲状腺)に対する抗体の産生が病気の原因だと言われています。
 
私たちの体内には、自己(自分の臓器や細胞など)と非自己(他臓器や細菌・ウイルスなど)を区別し、体内に侵入してきた異物を非自己として排除するという免疫機能が備わっています。そして、これら異物に対し、攻撃役として働くのが抗体と言われるものです。自己免疫疾患とは、自己を誤って非自己として捉え、これらを排除しようとしてしまう免疫異常で、自己に対する抗体が過剰に産生され、様々な病状を呈します。関節リウマチなどの各種の膠原病がこの自己免疫疾患にあたります。
 
自己免疫性甲状腺疾患では、甲状腺内にあるタンパク質やホルモン受容体に対して、様々な自己抗体が産生されることが病気の原因になっていると言われています。そして、これらの抗体の有無を測定することで、疾患の診断が行われています。
 

甲状腺自己抗体の検査

  1. 抗サイログロブリン抗体(TgAb)
    甲状腺濾胞細胞内に貯蔵されている糖蛋白(サイログロブリン)に対する自己抗体。
    慢性甲状腺炎(橋本病)で高頻度に陽性となるが、バセドウ病でも陽性となることがあります。
  2. 抗TPO抗体(TPOAb)
    甲状腺組織から抽出されたマイクロゾーム分画に対する自己抗体であり、後にペルオキシダーゼであることが判明しました。サイロイドテストと同様、慢性甲状腺炎(橋本病)、バセドウ病で陽性となります。
  3. TSH受容体抗体(TRAb、TBII)
    TSHレセプター抗体は、TSH受容体に対する自己抗体で、バセドウ病では90%以上が陽性となります。この抗体の結合により、TSH受容体が刺激され甲状腺ホルモンが増加します。ラジオレセプターアッセイ法で測定したものをTBII、バイオアッセイ法で測定した刺激抗体をTSAbと言います。

抗体値の測定は、バセドウ病の診断、治療効果や再発の指標として有用です。甲状腺機能低下症の患者様の中には、稀にこの抗体が陽性となる場合もありますが、これは、甲状腺刺激阻害抗体(TSBAb)がTRAbとして測定されるためです。

関連項目