2020.08.05

ヨウ素過剰摂取 (ようそかじょうせっしゅ)

ヨウ素過剰摂取

ヨウ素をたくさん摂りすぎると甲状腺機能低下症を起こしたり、甲状腺機能亢進症を起こしたりすることが知られています。日本ではヨウ素によって甲状腺機能亢進症が起こることはほとんどありません。ヨウ素は甲状腺ホルモンの原料なので、たくさん摂るとホルモンが増加するように思われるかもしれませんが、実際には過剰なヨウ素は甲状腺の働きを弱めてしまいます。

甲状腺に異常のない方がヨウ素を大量に摂取しても、甲状腺機能低下症になることはあまりありませんが、元々甲状腺になんらかの異常を持っている方がヨウ素を摂りすぎると、甲状腺機能低下症を起こすことがあります。甲状腺に異常がある方とは慢性甲状腺炎の患者様、放射性ヨウ素治療や甲状腺の手術療法をうけて甲状腺が小さくなっている患者様です。
 
ヨウ素の過剰摂取としてよくみられるのが、根昆布療法を行っている患者様や、イソジンうがい薬®(ポビドンヨード製剤)でうがいを毎日行っている患者様です。
 
メルカゾール®やチウラジール®(プロパジール®)などの抗甲状腺薬を内服してバセドウ病を治療している患者様が、ヨウ素を大量に摂取すると甲状腺機能がさらに変化することがありますが、普段の食事でヨウ素を制限する必要はありません。

医学的治療によって生じる甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は医療行為によっても生じます。バセドウ病や甲状腺腫瘍の治療後がその代表です。
バセドウ病に対して放射性ヨウ素治療を行うと、約半数以上の患者様が甲状腺機能低下症になります。ただし、甲状腺機能低下症になっても甲状腺ホルモン剤を内服すれば甲状腺機能を正常に維持できますので心配はいりません。
 
甲状腺全摘術(甲状腺を全部とる手術)を施行した場合、全ての患者様が永続的な甲状腺機能低下症となります。
 
甲状腺疾患以外でも、頭や首に生じた悪性腫瘍やリンパ腫に対して放射線外照射療法を行うと甲状腺機能低下症になることがあります。その発症時期は数か月〜数十年後と長期にわたります。
 
抗甲状腺薬を過剰に内服すると甲状腺機能低下症になります。バセドウ病の治療中に薬の減量のタイミングが遅れた時や、無痛性甲状腺炎がバセドウ病と間違えられて抗甲状腺薬が投与された場合に起こります。その他の薬剤では躁うつ病に用いられるリチウムによっても甲状腺機能低下症が起こることがあります。しかしこれらの薬剤による甲状腺機能低下症の多くは一過性で投薬の中止により改善します。
 

甲状腺機能低下症 慢性甲状腺炎(橋本病)

関連項目