2021.07.15

バセドウ病治療中の運動について (ばせどうびょうちりょうちゅうのうんどうについて)

  • バセドウ病
  • 甲状腺の病気の治療
  • 甲状腺ホルモン
バセドウ病治療中で甲状腺機能亢進状態が持続している時期には、激しい運動は控えてください。心臓は過剰な甲状腺ホルモンの影響を受け、安静時でも脈拍が早くなります。心臓への負荷が大きくなると、心不全や心房細動などの頻度が甲状腺機能正常の人よりも高くなります。甲状腺機能が安定してからは、一般に運動制限は必要としません。
体育の授業を受けて良いか、部活動は継続できるか、ジム通いや趣味のウォーキングは続けて良いかなどのご質問がよくあります。一般的に甲状腺ホルモンであるFT4値は治療開始から2ヶ月以内に正常範囲内にまで改善する方が大部分です。したがって、治療開始後、約2ヶ月を経過してからは運動の制限が解除されると考えて良いと思います。より具体的には、個々の患者さんごとに治療強度や甲状腺以外の基礎疾患の有無など違いがありますので専門医の診察を受けた際に相談されるとよいでしょう。アスリートの方や、山登りなどの強い運動を日常に行っている方などの運動に関しては、とくに個別の対応が必要です。

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