2021.06.20

乳がんについて (にゅうがんについて)

  • 甲状腺の病気
  • 甲状腺の病気の症状

日本では近年増加傾向にあるがんです。

乳がんは早期発見で早期治療による効果が非常に高いがんです。さらに、早期の乳がんは90%以上治すことが可能です。症状のない早期に発見し、適切な治療を受けることが肝要です。

乳がんを早期発見するために

ピンクリボン運動について

ピンクリボンは乳がんをなくす運動の国際的シンボルマークです。決して他人事ではない乳がんをご自分の問題として意識してもらいたいと、毎年秋にピンクリボンフェスティバルが各地で開催されています。イベントや街のデコレーションなどを通して、ピンクリボンのメッセージを発信しています。
 
ポイント1. 毎月1回日を決めて、自己検診する習慣をつけましょう
乳がんは、自分で発見できる唯一のがんで、内臓にできる他のがんとは違い、体の表面近くにできるため、しこりに気づきやすい病気です。
 
【自己検診のポイント】
自己検診は月に1度、月経が始まって3〜7日以内に行うのが基本です。閉経後の方は毎月自己検診日をきめておこなってください。さわりもれがないようにくまなく触れ、また両手を上げ、ひきつれやくぼみがないか鏡でチェックしましょう。自己検診により普段の乳房の様子を知ることができます。定期的に乳房に触れることにより、なにかいつもと違う感じがするといち早く気がつくことができるのです。
 
・乳房にいつもと違うしこりがある
・乳房や周辺部に湿疹やただれがある
・乳房がひきつれる
・乳頭から血液や分泌物が出る






ポイント2. 自己検診にプラスして定期検診を受けましょう
 
自己検診に加えて、検診を定期的に受けることで乳がんの早期発見率はぐんと高まります。1年に1回は検診をうけましょう。自分でふれて気になるしこりや症状があれば、すぐに乳腺専門の医療機関を受診し、診察を受けてください。
 
乳がんの検査は、
 
・視触診
・マンモグラフィー(乳房のレントゲン検査)
・超音波検査
の3つがあります。
 
マンモグラフィーは乳房に異常があるかをレントゲンで調べる検査です。乳房をペッタンコになるようにはさむので少し痛むこともありますが、痛いぐらいにはさむことで、感度が上がり小さいがんも発見しやすくなります。被爆量は一回飛行機に乗ったときの自然放射線量程度のごく微量です。アメリカではマンモグラフィー検診を行うようになって乳がんによる死亡率が減少しました。
 
超音波検査(エコー検査)はゼリーを塗って皮膚の上から乳腺を調べる検査で、痛みも被爆もなく、数ミリ程度の乳がんも見つけることもできます。
 
しかしながら、どれかの検査で必ずすべての乳がんがキャッチできるわけではありません。たとえば小さな石灰化のみの乳がんは超音波検査ではわからない場合がありますし、乳腺が張っているとマンモグラフィーではわかりにくい場合があります。3つの検査は、それぞれ長所・短所があるため、3つを組み合わせることで互いの短所を補いあい、より正確な検診が可能となります。
 
当院ではこれらの検査をすべて行うことが可能であり、必要であれば細い針で細胞をとる細胞診検査や、少し組織を切り取って調べる組織検査も行いますので、お気軽にご相談ください。

乳がんの治療

早期に乳がんを発見することは治療上も、美容上も重要です。

治療の原則は手術です。近年、手術術式の進歩により約半数近くの方で乳房温存術(乳房全体を切除するのではなく、乳腺の一部を摘出する手術)が可能ですが、原則的には3cm以内のしこりに限られます。
 
また、術後に行う再発予防のための治療(補助療法)が重要です。補助療法にはホルモン剤、抗がん剤、放射線等が用いられます。乳がんはこれらの薬剤が比較的によく効くがんですので、再発した場合でも有効な治療が期待できます。

当院では

乳がん治療に関しても、甲状腺疾患と同様に質の高い治療を目指しております。

手術治療(乳房切除術・温存手術)、補助療法(抗がん剤・ホルモン剤)等、各患者様の状態に応じたオーダーメイドの治療を行っております。また、センチンネル・リンパ節生検や分子標的薬剤等の新しい治療も積極的に取り入れております。
乳がん検診は行っておりませんので、乳がん検診指定医療機関にご相談ください。