2021.07.25

亜急性甲状腺炎 (あきゅうせいこうじょうせんえん)

  • ヨウ素
  • 甲状腺の病気
  • 甲状腺の病気の症状
  • 甲状腺ホルモン

病気の特徴

亜急性甲状腺炎は、甲状腺組織が炎症の為に壊れてしまい、甲状腺内に貯まっていた甲状腺ホルモンが血液中に漏れ出て甲状腺ホルモンが多い時の症状がでます。また、甲状腺が硬くはれ、その部位に痛みを感じます。この病気は自然に治っていきますが、症状が強い時は治療が必要です。40〜50歳代の女性に多く、20歳以下の人にはほとんど発症しません。また再発は少ないですが、1%程度みられます。

原因

ウイルスによると言われていますが、その原因ウイルスが見つかっておらず、今のところ原因不明です。

症状

動悸、息切れなどの甲状腺ホルモンが多い時の症状とともに、甲状腺の痛みや発熱などの症状がでます。炎症を起こした甲状腺は非常に硬いしこりのようにはれます。また、時々甲状腺の痛みと腫れは、右から左というように移動することがあります。

通常このような症状は、1〜2か月ほどで良くなっていきます。しかし、甲状腺が壊れる病気ですので、甲状腺の機能が回復するまでは一時的に甲状腺ホルモン量が低くなります。たいていの方はまた正常に戻りますが、まれにそのまま低い状態が続くことがあります。その時は、甲状腺ホルモン剤を長期間にわたって内服する必要があります。

診断のための検査

血液中の甲状腺ホルモンの量だけでは、バセドウ病との区別がつかないことがあります。それ以外に血液中の炎症反応や放射性ヨウ素摂取率の検査(甲状腺にヨウ素がほとんど取り込まれません)、甲状腺超音波検査などが必要です。多くは超音波検査で診断可能ですが、場合によっては細胞診の検査をすることもあります。

治療

症状がある場合には薬で痛みや動悸を押さえます。症状が軽い場合は頭痛薬などとして使われる非ステロイド系抗炎症剤、強い場合には副腎皮質ホルモン剤を内服します。また、動悸がひどい時にはβ遮断薬を内服することもあります。この病気は自然に治っていきますので、治るまでの間の不快な症状をとりのぞくことが治療の目的となります。