

やせ薬について (やせぐすりについて)
2002年7月に、健康食品と称した痩せ薬による健康被害のケースが続々と明るみにでました。中には亡くなった方もおられたのをご存じの方もいらっしゃるかと思います。これらの健康食品には、N-ニトロソフェンフルラミンという食欲抑制剤や甲状腺ホルモンが含まれていることがわかりました。それらを服用した方々は、肝機能障害や甲状腺機能障害を引き起こしました。
甲状腺ホルモンが多くなる病気では、体重が減ってしまうことがよくあります。この作用を悪用して甲状腺ホルモンが含まれた健康食品(痩せ薬)が作られました。恐らくこのような健康食品の中に含まれる甲状腺ホルモンは、動物(ブタやウシ)の甲状腺を乾燥させたものでしょう。
これを服用することによって体重は簡単に減りますが、体内に甲状腺ホルモンが過剰にあると様々な合併症が起こります。不整脈(心房細動:血液の塊ができ脳梗塞などが起こる病気)・心不全(心臓が働かなくなる病気)・骨粗鬆症(骨折しやすくなる病気)などが起こり、稀ではありますが突然死することもあります。また、アメリカではフェンフルラミンを内服した患者様の多くが心臓弁膜症(心臓の中の血液の流れが逆流して心臓の機能が落ちる病気)や肺高血圧症(肺の中の血圧が上がり、呼吸困難など体内の酸素不足が起こる病気)を発症したため、1997年に使用禁止になりました。
しかし、これらの健康食品の成分表には、このような食欲抑制剤や甲状腺末が含まれていることは一切表示してありません。また、これらは個人輸入したものを口コミなどで手に入れていることが多いため、副作用が出ても責任は個人個人で負わなければなりません。
これまで多くの患者様から様々な痩せ薬についての相談がありましたが、私たちの感想としては、“効果のある痩せ薬は非常に危険(副作用がでる)”ということです。楽に体重を減らす為に安易にこのような痩せ薬を使用すると健康を害するだけでなく、命まで失ってしまうことがありますので絶対におやめください。

- ヨウ素過剰摂取
- ホルモン検査
- 甲状腺の自己抗体
- 超音波検査
- 頸部レントゲン撮影
- ヨウ素摂取率検査
- ヨウ素制限について
- シンチグラフィー診断
- CT撮影
- 穿刺吸引細胞診
- 血液検査について
- サイログロブリン Thyroglobulin
- 甲状腺とは
- 甲状腺のホルモンと病気
- 甲状腺の病気について
- 甲状腺の病気について
- 甲状腺中毒症・甲状腺機能亢進症
- バセドウ病
- バセドウ病眼症
- バセドウ病と心臓の病気
- バセドウ病の心理的側面
- バセドウ病と骨粗鬆症
- バセドウ病と妊娠・授乳
- バセドウ病とその他のリスク
- 無痛性甲状腺炎
- 亜急性甲状腺炎
- 甲状腺機能低下症
- 甲状腺機能低下症の原因による分類
- 慢性甲状腺炎(橋本病)
- 腺腫様甲状腺腫・腺腫様結節
- プランマー病
- 甲状腺嚢胞
- 濾胞腺腫
- 甲状腺乳頭癌
- 甲状腺濾胞癌
- 甲状腺髄様癌
- 甲状腺未分化癌
- 甲状腺悪性リンパ腫
- 甲状腺の微小癌
- 副甲状腺について
- 急性化膿性甲状腺炎
- 急性化膿性甲状腺炎
- 原発性副甲状腺(上皮小体)機能亢進症
- 家族性の甲状腺腫瘍
- 甲状腺のその他の疾患
- 甲状腺の病気に使われる薬
- 抗甲状腺薬の副作用について
- 甲状腺の手術
- 良性腫瘍に対する手術
- 悪性腫瘍に対する手術
- バセドウ病に対する手術
- 手術の合併症
- 術後リハビリ
- 乳がんについて
- 遺伝子解析について
- 当院での甲状腺疾患に対する治療方法