約3分でわかる甲状腺疾患シリーズ
甲状腺専門病院【隈病院】の専門医がイラスト図解でわかりやすく説明
甲状腺がんが見つかると「すぐに手術しなければ!」と思いがちです。しかし、隈病院が1993年から蓄積した3,000件以上のデータを検証すると、低リスク微小がんの場合には ①手術をしないで経過観察しても9割以上は増大・進行しないこと、 ②最初は経過を見て少し大きくなってから手術した場合でも、最初の時点で手術した場合でも、甲状腺がんが原因で死亡した人はゼロでした。しかも、 ③最初の時点で手術した場合の方が声帯神経や副甲状腺の損傷が多いことも明らかになりました。
とするならば、身体的なダメージや経済的負担を考えると経過観察の方がメリットが大きいことになります。当院では、この研究成果に基づき、低リスク微小がんの場合は積極的経過観察を第一選択としてご提案しています。また、この研究成果は世界的にも注目され、世界で最も権威がある「アメリカ甲状腺学会」甲状腺腫瘍取扱ガイドラインに、甲状腺微小がんの積極的経過観察が採用されています。