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2019.11.05

治験・臨床試験管理センターについて

当院は、2014年4月治験・臨床試験管理センターを開設いたしました。
私たちの生活において、おくすりは病気の治療や予防に欠かすことができない大切なものとなっています。厚生労働省で審査を受け承認されると、初めておくすりとして使用できるようになります。安心して使うことのできるおくすりの開発のために、患者様の安全を第一に考えながら治験を行っています。

治験とは

「おくすりの候補」は厚生労働省の承認を得て“おくすり”として認められます。承認されて初めて、病院で処方されたり、薬局で販売することができます。

ひとつのおくすりが誕生するには、9〜17年もの長い研究開発期間を要します。その間、さまざまな試験をくりかえし、効き目の確認と安全性の評価が行われます。しかし、試験管の中や動物を用いた実験を繰り返しただけではおくすりとして使用できません。動物では有効でもヒトには効き目がなかったり、有害な作用を引き起こしたりすることがあるからです。 そこで、“臨床試験”といわれる「ヒトで有効性と安全性を調べる試験」をしなければいけません。この臨床試験の中でも厚生労働省におくすりとして認めてもらうために行われる試験を治験といいます。治験は薬事法と厚生労働省が定めた基準(医薬品の臨床試験の実施の基準:GCP)に従って行われます。

“おくすり”が誕生するまで

みなさんが使っているおくすりは、とても多くの研究や試験を経て生まれ、作られています。どのようにして新しい“おくすり”が誕生するか、いっしょに見てみましょう。
  1. 基礎研究 〜「おくすりの候補」の発見〜
    まず、製薬会社の研究者や医師が病気の原因についてくわしく研究し「くすりのもと」となりそうな物質を探します。
    非臨床試験 〜動物で試験〜
    さまざまな実験で選別された「くすりのもと」は、動物や細胞などを対象にどんな作用があるかを慎重に検討するための試験をします。試験の結果、病気に対しての効果が期待でき、大きな副作用がないと確認された「くすりのもと」は「くすりの候補」となります。
  2. 治験 〜ヒトで実際に使ってみる〜
    ここでいよいよ「おくすりの候補」がヒトに使われます。「おくすりの候補」が「おくすり」となるためにはどうしてもヒトにおいて効果(有効性)や副作用(安全性)を調べなくてはなりません。
  3. 承認申請
    試験の結果はまとめて国(厚生労働省)に提出され、おくすりととして役立つかどうか審査を受けます。
  4. おくすりの誕生
    たくさんの研究と協力(治験)を経て、ようやくおくすりとして使用することができます。

新しいおくすりが承認されるまで

「おくすりの候補」は、最初に動物で効果や毒性についての試験を実施し、その効果と毒性の程度を確認してから、治験に進みます。治験では下記の3つの段階があり、安全性や有効性を確認しながら開発が進められます。これらの治験の結果をまとめ、厚生労働省へ承認申請されます。
  1. 第1相試験(PhaseI)
    対象者:健康な方
    目的:主に健康な成人を対象に、ごく少量の「くすりの候補」から使い始め、徐々に量を増やしていき、副作用について注意深く 調べます。また、「くすりの候補」が、体の中でどのくらいの速さで吸収され、どのような作用を示し、どのくらいの時間で体外に排泄されるかも確認します。
  2. 第2相試験(PhaseII)
    対象者:少数の患者様
    目的:次に少数の患者様を対象に「くすりの候補」の効果(有効性)、副作用(安全性)と共に、効果的な使い方(量、間隔、期間)について調べます。
  3. 第3相試験(PhaseIII)
    対象者:多数の患者様
    目的:これまでに得られた結果で見られた「くすりの候補」の効果(有効性)、副作用(安全性)が多数の患者さんにも当てはまるかどうかを最終確認します。また「くすりの候補」によっては、すでに使われているおくすりと比較し、より効果が期待できるのか、副作用が少ないかどうかや長期間使用した時の効果(有効性)や副作用(安全性)についても確認します。
  4. 承認審査
    厚生労働省がおくすりとして認めるかどうか審査します。



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