インタビュー

もっと甲状腺のことを知りたい、勉強したい

専門的に甲状腺を学びたい思いで隈病院へ

私は兵庫医科大学を卒業後、大阪南医療センターで2年間の研修を行い、そのまま同センター 内分泌代謝内科にて2年間勤めました。その後、淀川キリスト教病院 糖尿病・内分泌内科に移り、3年間にわたって糖尿病や内分泌代謝疾患の診療経験を積んだのち、2020年より隈病院に入職しました。
 
甲状腺疾患は、内分泌代謝疾患の中では比較的多く目にする病気です。下垂体や副腎も突き詰めていくと面白いのですが、日常的に診察することが多い甲状腺疾患のさまざまな症例を診ていくうちに「もっと甲状腺のことを知りたい、勉強したい」と考えるようになりました。
大阪南医療センターと淀川キリスト教病院では内分泌代謝領域である下垂体から甲状腺、副甲状腺などの症例も経験する機会がありましたが、診療の中心となるのは糖尿病でした。そのため、ほとんどの先輩医師が糖尿病を専門とされており、甲状腺疾患領域を専門にしている先生は少なかったため、甲状腺について専門的に教えていただくチャンスが多いとは言えない環境でした。そこで、一度甲状腺を専門とする病院に移ってしっかり勉強をしたいと思い、隈病院に入職することを決意しました。

入職後に感じた隈病院の特長

難治例から一般症例まで多様な症例が集う

当時の大阪南医療センターと淀川キリスト教病院では、甲状腺疾患に対する手術は行っておらず、甲状腺に悪性腫瘍(あくせいしゅよう)が見つかった患者さんや、診断や治療に難渋する患者さんはより専門性の高い病院へ紹介が必要でした。その際にはやはり実績のある病院が選択肢に上がるため、自然と隈病院の名前を耳にすることが多かったのを覚えています。そのため、実際に入職するまではどうしても「難しい甲状腺疾患の紹介先」という印象が強く、敷居の高い病院というイメージがありました。
しかし、実際に入職してみると、予想していた難しい症例を経験できるだけではなく、「甲状腺が腫れているような気がする」「なんとなく甲状腺が気になる」などの一般的な相談で受診される患者さんを診察する機会も多くて驚きました。難治例や希少な症例に限らず、多様な症例を診られる場所であると実感しています。

疑問点や悩みはすぐに質問・相談できる

外来診察中はすぐ隣の診察室で先輩医師が同じく診察をされているので、たとえば外来診察中の患者さんについて自分だけでは判断が難しいことがあれば、患者さんに少しだけお待ちいただき、速やかに先輩医師の診察室へ質問しに行くことができます。そうすると先輩方は的確にアドバイスをしてくださるので、誰にも質問できず1人で対応に困ってしまうような状況にはなりません。近くに先輩医師がいて、何かあればすぐに相談しに行ける環境は非常にありがたいと感じています。
外来だけではなく、日々のカンファレンスの場も若手医師が積極的に質問できる環境です。私は“内科カンファレンス”と、外科と内科が合同で行う“全体カンファレンス”の2種類に参加しており、甲状腺腫瘍などに関する疑問は主に全体カンファレンスで、内科疾患に関する疑問は主に内科カンファレンスで質問しています。若手でも複数のカンファレンスに参加でき、かつその場で質問できるので、カンファレンスに参加するたび新しい知識を得ることができます。国際的な学会でもご活躍される医師が身近にいることは、学ぶうえではこの上ない環境です。

ダイナミックな甲状腺治療の面白さ

私は内科医なので、治療における役割は主に投薬を行うことになります。
甲状腺の投薬は、適切な診断に基づいてその方に合った治療を行えば、症状が劇的に改善する可能性があります。そのような“ダイナミックさ”こそ、甲状腺の面白さではないかと思います。また、患者さんも「よくなってきた」と実感される方が多いので、やりがいも大きいと感じます。

尊敬する先輩医師とその探究心

隈病院には尊敬する先生がたくさんいらっしゃいますが、なかでも特に尊敬しているのは内科顧問の深田 修司(ふかた しゅうじ)先生です。深田先生は探究心が高い方で、私や若手の内科医はもちろん、ご自身も知らなかったようなことを新しく発見すると、それを徹底的に調べます。そして、カンファレンスで私たちにレクチャーしてくださるのです。
深田先生は甲状腺のことなら何でも知っていらっしゃるのではないかと思うほどの大先輩ですが、ベテランの指導者となった今でも常に自分の知らないことを探し、突き詰めていく姿勢を貫かれていて本当にすごい方だと思います。

できるところまで甲状腺の知識を深めたい

キャリアの考え方は人によってさまざまですし、どのような考え方が正しいかは分かりません。もちろん、総合病院や大学病院などの大きな施設で学ぶことも大切だと思います。その一方で、総合病院では学びきれない領域を突き詰めるために、隈病院のような甲状腺を専門とする施設で学ぶということもまた大切なのではないかと考えます。
私は特定の医局に属していないため、自分の興味があること・勉強したいことを突き詰めていこうという姿勢で、日々目の前のことに取り組んでいます。今はせっかく甲状腺の基礎から学ばせていただいているような状態ですので、できる限り甲状腺疾患の知識などを吸収して、この領域で自分がどれだけやっていけるか挑戦している段階です。そのうえで、医師としてどのようなキャリアを構築していくかをあらためて考えていきたいです。

知らないことを知る日々がモチベーション

2020年に入職してから1年弱が経ちましたが、今でも日々が学びの連続です。甲状腺に関して、これまで表面的には知っていたつもりでもやはりまだまだ知らないことばかりだったのだということを痛感しました。たとえば、総合病院勤務時代は小学生や中学生の甲状腺疾患を経験したことがほとんどなかったので、10歳代前半以下の子どもの場合はFT3の基準値が大人よりも高いことなど、小児症例と成人症例との違いも隈病院に来てから知りました。このように、隈病院では毎日のように知らないことを知る機会があり、学ぶことばかりで非常に刺激的です。そのような毎日を過ごしていることそのものが、私のモチベーションになっています。

このインタビューのドクター

兵庫医科大学を卒業後、大阪南医療センター 内分泌代謝内科や淀川キリスト教病院 糖尿病・内分泌内科にて糖尿病や内分泌代謝疾患の診療に広く携わる。その中でさまざまな甲状腺疾患を診るうち、甲状腺に対する専門知識をより深めたいと考え、2020年より隈病院 内科に入職。日々多様な甲状腺疾患を診療している。

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