2021.09.01

甲状腺濾胞(ろほう)癌 (こうじょうせんろほうがん)

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病気の特徴

甲状腺癌のひとつで原因は不明です。甲状腺を構成する濾胞細胞から発生する悪性腫瘍です。甲状腺癌の約5%を占めます。症状は特にないことが多いですが、大きくなると首にしこりを触れることがあります。通常はゆっくりと発育し、性格はおとなしいものが多いです。周囲の首のリンパ節に転移することは少ないですが、まれに肺や骨に転移することがあります。

診断

濾胞癌は、良性腫瘍である濾胞腺腫との区別が手術前には難しいため、二つを合わせて濾胞性腫瘍と呼んでいます。血液検査、超音波検査、細胞診などを行い、濾胞性腫瘍の可能性が高いと診断された場合には、手術で腫瘍とともに甲状腺の半分または全てを切除し、病理組織検査で最終診断を行います。
次のいずれかの所見が確認されれば濾胞癌と診断します。
•腫瘍を包んでいる膜(被膜)を腫瘍細胞が破って浸潤している。
•腫瘍周辺の血管内にまでに腫瘍細胞が侵入している。
 
なお、濾胞癌を疑って手術が考慮されるのは以下のような所見です。
・腫瘍が触診で硬く、表面がデコボコで不整の場合
・細胞診でBe-Ⅳ以上であり、悪性の可能性がある場合
・超音波検査で腫瘍内部が充実性で、正常甲状腺組織との境界線がきれいな曲線ではなく、不整な場合
・経過観察中に腫瘍が大きくなっている場合
・腫瘍の大きさが3cm以上の場合
・血液中のサイログロブリン値が非常に高い場合(例えば1000ng/ml 以上)
・すでに肺や骨に転移している腫瘍の病理組織検査で、甲状腺濾胞癌の転移と診断されている場合

治療

悪性の可能性があると診断された場合、まず、手術で腫瘍とともに甲状腺の半分または全てを切除します。切除した組織の病理組織検査で最終的に濾胞癌と診断された場合、悪性度に応じて、放射性ヨウ素内用療法をお勧めすることがあります。
放射性ヨウ素内用療法を施行するためには、甲状腺が全て摘出されている必要があります。正常甲状腺が残存している場合には、放射性ヨウ素内用療法の前に、残存甲状腺を手術にて切除します。