

バセドウ病と薬 (ばせどうびょうとくすり)
バセドウ病の薬による治療
バセドウ病の治療薬には抗甲状腺薬(甲状腺のホルモンを合成する機能を抑える薬)と無機ヨウ素があります。また、抗甲状腺薬にはチアマゾール(メルカゾール®)とプロピルチオウラシル(チウラジール®、プロパジール®)の2種類あり、無機ヨウ素にはヨウ化カリウム丸があります。
日本ではバセドウ病の治療を抗甲状腺薬で始めることが一般的ですが、抗甲状腺薬での副作用が出たときやバセドウ病の病勢によっては無機ヨウ素を使用することもあります。
内服を始めると早い方では1か月、遅い方でも3〜4か月後には血液中の甲状腺ホルモン値が低下し症状も改善していきます。薬は長期に内服する必要があり2年で薬を中止できる方は30%程度とされていますので、決して自己判断で内服を中断しないようにしていただくことが重要です。
注意すべき副作用について
抗甲状腺薬の副作用としては、かゆみ・じん麻疹、肝障害、無顆粒球症などがあります。かゆみ・じん麻疹:内服開始後数週間で出現することがありますが、抗甲状腺薬を継続するうちに自然と改善することが多いため、抗アレルギー薬(花粉症などで使用する薬)を使用し対処します。しかし、症状が強いときは抗甲状腺薬を中止することもあります。
肝障害:治療を開始すると一過性にAST、ALTが100IU/L程度まで上昇することがありますが、通常は自然に軽快します。しかしAST、ALTが200-300IU/L以上となる場合には抗甲状腺薬の副作用の可能性も否定できませんので投薬変更が必要となることがあります。
無顆粒球症:抗甲状腺薬を開始後にウイルスや細菌を退治する白血球が極端に少なくなり、感染症になりやすい状態になることです。
特徴としては抗甲状腺薬を開始して、3ヵ月以内がほとんどであり、38℃以上の発熱に加えのどの痛みなど風邪症状が出ることです。そのような場合にはすぐに医療機関を受診して白血球が低下していないか確認する必要があります。
そのため、抗甲状腺薬開始後2-3ヵ月間は2週間毎に通院していただき血液検査で異常がないか確認します。
その他の治療法について、下記の記事にまとめています。ぜひ合わせてお読みください。
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