インタビュー

手術の研鑽を積みながら研究にも取り組みたい

耳鼻咽喉科医として幅広い病気の診療を担当

私は、京都府立医科大学を卒業後、大阪大学の耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室に入局しました。入局後は、主に市中病院と大学病院で耳鼻咽喉科疾患全般の診療の経験を積みました。

もともと、耳鼻咽喉科医を選んだのは、がんの治療に携わりたいと考えていたからです。なかでも、学生時代の解剖実習などを通して、頭頸部がんに特に興味を持っていました。頭頸部がんは解明されていない部分も多く、一生取り組むテーマとしてふさわしいと思ったのです。そうして、自身の専門として、頭頸部がんの治療に携わることができる耳鼻咽喉科・頭頸部外科の道に進みました。

難しい症例を多数扱っていることに驚く

隈病院入職前にも甲状腺疾患の患者さんの手術に従事する機会はありましたが、そこまで数は多くありませんでした。頭頸部疾患の中でも、特に甲状腺疾患に興味を持っていたこともあり、徐々に甲状腺を専門とする病院で経験を積みたいと考えるようになりました。隈病院への入職を自ら希望し、念願叶い医局派遣という形でやってきたのです。

入職前から、甲状腺関連の学会で目にする隈病院の医師による発表はどれも非常に興味深く、しっかりと診療や研究に取り組んでいる印象を持っていました。ただし、具体的な症例、手術手技や診療体制などについてまでは知らなかったので、入職前は「軽症の患者さんの手術に多数取り組んでいる」というイメージをぼんやりと持っていました。しかし、実際に入職してみると、重症の患者さんや、他院における術後の再発例など治療が難しい症例にも多数取り組んでいることを知り驚いたことを覚えています。

隈病院入職後の仕事のやりがい

隈病院の特徴のひとつにカンファレンスがあります。そこでは外科、内科、病理診断科、麻酔科など各診療科のスタッフや、医師だけではない多職種が一堂に会します。診療科や職種の垣根なく活発なディスカッションが行われているのです。カンファレンスでは、発声機能や嚥下えんげの状態など、耳鼻咽喉科医の立場からの見解を求められることがあり、耳鼻咽喉科医の立場として甲状腺疾患の治療に携わる意義を感じられます。

また、カンファレンスのときだけではなく、日々の診療のなかでも院内全体に協力体制が築かれていると感じます。たとえば、病理診断科の医師や検査部門のスタッフが、個別の相談に乗ってくださることがあり、知識がほとんどなかった分野を学ぶ貴重な機会にもなっています。

新たに入職した医師も安心して手術の経験を積める体制

隈病院では、新しく入職した医師と、隈病院での勤務歴の長い医師がペアで手術を行うスタイルが確立されています。そのため、入職当初は甲状腺疾患の手術経験がそこまでなかったとしても、先輩医師のサポートの下で安心して手術に臨める体制が築かれているのです。私自身、入職以来、さまざまな先生と一緒に手術に入ることで、多くの手術技術を教えていただき、大変勉強になっています。先輩医師と一緒に手術に入ることで緊張することもありますが、知識や技術を全て教えてもらえる貴重な機会であると思っています。

また、隈病院では、手術前の見落としによるミスを極力なくすような体制が築かれています。主治医が外来で手術を決定したのち、宮副院長が全ての手術症例について問題がないかをチェックし、さらに術前カンファレンスでは院内の医師全員で全症例をチェックしています。主治医、宮副院長、カンファレンスという“トリプルチェック体制”も安心して手術に臨める環境につながっていると思います。

働きやすい環境に感謝しながら

隈病院には、患者さんができるだけストレスなく診療を受けられる体制が整備されていると実感します。外来や手術、入院など、スムーズに医療を受けられるシステムが整備されているのです。それだけでなく、私たち医師にとっても、非常に働きやすい病院であると日々実感しています。このような環境に感謝しながら、できるだけ集中して効率的に仕事をするよう心がけています。

隈病院に入職してから、家族との時間も大切にしながら働くことができています。遠方から通勤している関係で、朝は子どもが寝ている時間に家を出発するような毎日です。しかし、隈病院の整備されたシステムのおかげで効率よく仕事を終わらせることができ、子どもが起きている時間に帰宅し、一緒に夕飯をとることができています。家庭を持つ身として、仕事と家族の時間を両立することができる点は非常にありがたいです。

手術の研鑽とともに研究にも取り組みたい

私は2019年4月に入職しましたが、同年の10月には、甲状腺微小がんについて学会で発表するチャンスをいただきました。研究に従事することも望んでいた私にとって、とても貴重な機会をいただいたと思っています。

研究は、最終的には患者さんにとっての利益になりえる活動です。隈病院の先輩医師がおっしゃるのは「臨床は直接対面している患者さんを治すことしかできないけれど、研究であれば世界中の患者さん、ひいては未来の患者さんを救うことができる」ということです。私もこの考えに共感しています。これからも、隈病院の環境を生かして、臨床研究や論文執筆にも取り組んでいきたいと思っています。

隈病院での経験を患者さんに還元する

隈病院で学んできたことを、患者さんや隈病院以外の医療従事者にも還元していくことが、私のひとつの使命であると思っています。甲状腺疾患を専門とする医師として、何を質問されても答えることができるようになりたいです。

また、甲状腺腫瘍の手術とともに、バセドウ病の手術技術をしっかりと習得することが重要であると考えています。バセドウ病の手術を安全にしっかりと行うことができる外科医は貴重な存在だと思いますので、今後も研鑽を積んでいきたいと思っています。隈病院の先輩医師は皆、私にとって目指すべき姿でもあります。宮内院長や宮副院長をはじめ、当院の外科の医師たちを目標に今後も手術の経験を重ねていきたいです。

このインタビューのドクター

頭頸部
外科

佐々木 崇博医師

頭頸部がんに興味を持ったことをきっかけに耳鼻咽喉科医の道に進む。2006年に京都府立医科大学を卒業後、大阪大学の耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室に入局。入局後は、市中病院や大学病院で耳鼻咽喉科疾患全般の診療経験を積む。その後、甲状腺専門病院で経験を積みたいと自ら隈病院への入職を希望し、2019年に隈病院の頭頸部外科に入職。先輩外科医の指導のもと、手術の研鑽を積んでいる。また、臨床研究や論文執筆にも取り組んでいる。

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