インタビュー

充実した協力体制のもと、麻酔科医として手術をサポートしたい

システム化された魅力的な診療体制に惹かれて

私は神戸大学医学部を卒業後、同大学の麻酔科学分野に入局しました。入局後4年目から大学院に進学し研究にも携わり、卒業後は再び医局に戻り麻酔科医としての臨床業務に従事していました。その間に、アメリカのNational Jewish Medical & Research Centerへの留学も経験し、留学先では、肺炎などを理由に重い呼吸不全をきたす急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を主に研究していました。

留学から帰国後、2003年より非常勤の麻酔科医として、隈病院に週に1回勤務するようになりました。非常勤として11年弱の勤務を続けた後、2014年より常勤の麻酔科医として、正式に入職することになったのです。常勤の麻酔科医として入職を決意したのは、検査や診察などさまざまな面でシステム化されているところに大きな魅力を感じたからです。医師が雑用に時間を割かないようにするためのシステムやサポート体制が構築されており、自身の業務に集中でき、ストレスを感じることなく働くことができると思いました。

麻酔科医には全身管理を行う役割がある

現在、私は隈病院麻酔科の副科長を務めています。麻酔科医には、手術麻酔をかけるだけではなく、術前術後の全身管理を行う役割があります。安全な手術を実施するため、麻酔科科長である三川 勝也先生と分担しながら、術前診察から術後の管理までを担当しています。

隈病院では、手術前に麻酔科医による外来術前診察を行っています。診察は手術の1か月程前に行います。その結果、事前に受けるべき検査が生じた場合には、他院で検査を受けるようお願いするケースもあるからです。このように、できるだけ余裕を持ったスケジュールで、術前診察を行うようにしています。診察時には、問診や検査結果を入念に確認しながら、安全に手術を行うことができるかを判断しています。

また、隈病院では反回神経麻痺を防ぐため、そのリスクが高い患者さんに対して手術中には電極付きの気管チューブを使用し、神経モニタリングを行うことがあります。神経モニタリングによって、神経の場所や機能を確認しながら手術することができるようになります。気管チューブの少しの位置異常でもモニタリングできなくなりますので、喉頭ファイバーを用いて位置確認を行っています。

麻酔科医による手術時、手術後のサポート体制

隈病院では安全な手術を実現するために、3つの手術室に対して、非常勤を含めた最大で4人の麻酔科医がサポートをしています(2020年2月時点)。これにより、何か不測の事態が起こったときにも柔軟に対応することができるようになります。

また、麻酔科医の手術中のサポートは、麻酔をかけるだけではありません。たとえば、甲状腺の手術では、気道系の合併症に特に注意しなくてはなりません。甲状腺は気道近くにある臓器であることに加え、甲状腺自体も血流が豊富であるという特徴があります。そのため、術後出血などによって気道が詰まることで窒息につながる可能性があるからです。そのような場合には、いかに気道を確保するかが大切になります。気道系の合併症が起こる可能性や、気道確保すべきかを迅速に判断することも私たち麻酔科医の大切な役割のひとつです。また、周術期管理として手術後の全身管理もサポートしています。

知識が豊富で協力的なスタッフたち

隈病院には、医師だけでなく、看護師、技師、事務職員などのスタッフも甲状腺の分野に詳しいという特徴があります。当院に来たばかりの頃、「皆よく勉強している」と驚いたことを覚えています。常勤として勤務するようになってからは、院内で開催されるカンファレンスや学会発表前の予演会など、学ぶ機会にも恵まれています。

また、医師はもちろんのこと、そのほかのスタッフもとても協力的です。たとえば、隈病院には外来診療の際に患者さんのサポートを行うサービス課という部署があります。外来術前診察などの際には、このサービス課のスタッフに助けてもらっています。院内外の手続きなどで分からないことがあった際には、システムに精通しているサービス課のスタッフから教えられることも少なくありません。このように、医師以外のスタッフが非常に協力的なことも、隈病院の魅力のひとつであると思っています。

落ち着いて業務に集中できる環境に感謝

隈病院は、アットホームで働きやすい職場であると思います。親切なスタッフによる協力体制はもちろんのこと、きちんと休むことができる環境も精神的な余裕につながっています。オンとオフがはっきりとしていて、落ち着いて業務に集中することができる職場環境に感謝しています。

私たち麻酔科医は、術前カンファレンスに毎回参加し、情報を共有してもらうようにしています。また、外科医だけでなく内科医とも日頃から積極的にコミュニケーションをとるようにしています。これからも、ほかの診療科を担う医師やスタッフと連携しながら、安全な手術を実現するため、さまざまな角度から周術期のサポートをしていければと考えています。

このインタビューのドクター

麻酔科

麻酔科副科長
仁科 かほる医師

神戸大学医学部を卒業後、同大学の麻酔科学分野に入局。大学院に進学し研究に携わるとともに、臨床業務に従事する。アメリカのNational Jewish Medical & Research Centerへの留学も果たし、留学先では主に急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の研究に従事。2001年より、非常勤の麻酔科医として、隈病院に週に1回勤務を開始する。2014年より常勤の麻酔科医として、正式に入職。安全な手術を実施するために術前診察から術後の管理までを担当し、外科医をサポートしている。

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