インタビュー

子育てをしながら医師としても成長していきたい

甲状腺の魅力は「身体全体に関与する臓器」であること

自治医科大学を卒業した後、出身地である和歌山県に戻り、初期臨床研修の研修医として和歌山県立医科大学病院で2年間を過ごしました。初期臨床研修を終えてからは、そのまま和歌山県立医科大学第一内科に入局し、地域医療に約7年間従事しました。

和歌山県立医科大学第一内科は甲状腺の診療では有名な医局です。しかし、地域に出ると患者さんの大半が糖尿病であり、甲状腺疾患を診る機会はあまりありませんでした。しかし、私は内科診療を経験するなかで甲状腺の「小さい臓器だが身体全体に関与する」という特徴に魅力を感じるようになりました。

隈病院への入職前に抱いた不安

甲状腺疾患についてもっと勉強したいと考えていた矢先、和歌山から転居するきっかけがあり、第一内科の赤水尚史教授から隈病院院長の宮内昭先生をご紹介いただきました。そして、隈病院への入職が決まったのです。

入職前、隈病院には、国内で有数の甲状腺の症例数を誇る全国的に有名な病院という印象がありました。そのため、甲状腺の診療経験が乏しく、甲状腺専門医の資格を取得していない状態の自分がついていけるのかという不安があったのです。

丁寧な指導で日本甲状腺学会認定専門医を取得

実際に働いてみると、その不安はいい意味で裏切られました。ベテランの先生方がとても丁寧に指導にあたってくださったからです。私自身は内科所属ですが、内科と外科の垣根が低いため外科の先生とも気軽にコミュニケーションがとれ、甲状腺全体の知識を身につけることができました。

また、隈病院では多くの症例を任せてもらえます。この環境のおかげで私は「日本甲状腺学会認定専門医」を取得することができました。

糖尿病専門医資格の維持も可能に

加えて、隈病院は医師の今までの専門領域などを考慮し、臨機応変に対応してもらえる病院です。私は隈病院就職前に糖尿病専門医資格を取得しており、できればこの資格を維持しながら甲状腺について学びたいと思っていました。糖尿病専門医資格を維持するためには、一定数の糖尿病診療を続ける必要があります。

そのため、他の施設で糖尿病外来の研修日を週に1日設ける許可を入職時にいただきました。隈病院のサポートのもと、現在は甲状腺を専門としながらも、以前取得した糖尿病専門医資格も維持することができています

育児をしながら常勤医として勤務

隈病院に入職をしてから産休と育休を取得しました。保育所入所の問題で子どもが1歳2か月になるまでの間休暇をいただき、復帰する際もスタッフの方々が自然な空気で迎えてくださり嬉しかったのを覚えています。

復帰後は、周囲の方々の協力に支えられながら働いてきました。子育ての時間も大切にしたいという思いから仕事は時間内に終わらせることを心がけていて、ほぼ定時で帰ることができています。

子どもの急な発熱で急遽休ませてもらった時は、外来予約患者を他の医師達で分担して代診してもらったり、検査担当を交代してもらったりと臨機応変に対応していただけています。このようなサポート体制が働きやすさにもつながっていると感じます。今後子育てしながら働く医師が増えればよりお互いに協力しやすいと思います。

甲状腺疾患と妊娠の関連に興味を持ち論文を執筆

私は隈病院に入職してから、それまであまり取り組んでこなかった学会発表や論文執筆にも従事しています。入職前には日本語の論文さえ執筆したことがなく、いきなり英語論文を執筆するのはハードルが高いと感じていました。そのような中でも、院長や科長をはじめベテランの先生方が一から指導をしてくださったおかげで、英語論文の執筆もすることができました。

隈病院に入職後に

  • Thyroxine treatment may be useful for subclinical hypothyroidism in patients with female infertility.
  • Kinetic analyses of changes in serum TSH receptor antibody values after total thyroidectomy in patients with Graves' disease.
という論文を執筆しましたがいずれも妊娠に関連のあるテーマであり、私の興味に応じて先生方から論文のテーマをいただきました。現在も勤務時間内で論文を仕上げることを目標に、次の論文に取り組んでいます。

このインタビューのドクター

自治医科大学を卒業後、初期臨床研修を経て地域医療に従事。内科診療を通して甲状腺に魅力を感じ、甲状腺疾患の診療経験を積むために隈病院へ。隈病院入職後には妊娠・出産を経験。産休と育休を取得しながら常勤医として勤務している。甲状腺を専門としながらも、もともとの専門であった糖尿病の診療も継続し、糖尿病専門医資格も維持。患者さんが安心して治療が受けられるよう丁寧な診療を心がけるとともに、学会発表や論文執筆にも力を注いでいる。

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