インタビュー

データベースの整備や研究でも貢献を

薬学部と理学部を経て、医学部へ編入

京都大学の薬学部を卒業後、京都大学 理学部の大学院へと進学しました。大学院では主に生物学について基礎研究を行い、博士課程4年の後に大阪大学医学部へと編入しました。

大阪大学に編入後は、医学の勉強に励む傍ら、臨床検査診断学の研究室に通うようになりました。医学部を卒業、初期臨床研修のため市中病院などで経験を積んだ後、最初は臨床検査診断学の医局員として、医局からの紹介で隈病院に勤務。最初の1年を常勤として勤務しましたが、2年目からは隈病院の非常勤医師として働きながらほかの場所で研究を行うことにしました。

他施設での研究に2年あまり従事した後、常勤として再び隈病院に入職する道を選びます。それは、後述するように、臨床経験の浅い自分に丁寧な指導のもと経験を積ませてくれたことに恩を感じていたことが大きな理由でした。

医学生のときに甲状腺疾患に興味を持つ

臨床検査診断学に通っていた医学部生のときには、すでに「甲状腺を専門にすることになるんだろうな」と漠然と考えていました。所属していた教室の先生方や臨床検査技師の院生の方々が話す甲状腺疾患の話を聞きながら、甲状腺の特性を非常に面白く感じたことが影響しています。

甲状腺の分野は、検査方法が充実しており、洗練されている点が魅力のひとつでしょう。また、ヨウ素が関係している点で甲状腺は特有で、甲状腺疾患では、診断にも治療にも放射性ヨウ素を使用することができます。さらに、甲状腺の自己免疫疾患は、ほかの自己免疫疾患にない特殊で興味深い面があります。

検査や病理レベルの高さにも驚く

隈病院との関わりが始まったのは医学生の頃でした。通っていた研究室の先生方が研究材料として隈病院から検体をもらっていたのです。その頃から大学病院でも扱わないような珍しい症例まで診ている印象をもっていました。

入職後は、想像以上に診療のレベルが高いことに驚きました。カンファレンスでは非常に深いところまで議論していましたし、臨床検査技師の方々の超音波検査の技術水準は高く、目を見張るものがあります。

また、隈病院では、内科の医師もエコーガイド下細胞診の手技を学べる体制が築かれています。見学時から日常診療までを通じて、病理診断のレベルも非常に高いことを実感しました。臨床検査科の結果も信頼できます。外科では第一線の先生方が、専門病院ならではの診療と、新たな技術を取り入れながら手術をされています。

一流の医師たちから学ぶ日々

最初に隈病院に入職した当時、臨床の経験が浅かった私は、多くの先生方に親切に指導していただきました。外来診療を担当しながら、わからないことがあったときにも相談すれば丁寧に教えてもらえる環境には感謝しています。甲状腺の第一線にいる先生の指導を受けながら症例の経験を積んだおかげで、私も1年が過ぎる頃には、一般的な症例であればひととおり診療することができるようになっていました。

隈病院の先生方には、一流の診療技術を持ちながらも非常に人格者が多い印象があります。豊富な知識や高度な技術をもつことに加えて、親切で品のある医師が多いことも、教わりやすい雰囲気につながっているのでしょう。

診療情報管理科の一員としてデータベースを管理

隈病院はIT化が進んでおり、電子カルテや患者さんを案内するシステムの運用なども非常に合理化され、スムーズに診療が行われています。また、日常業務の効率化にとどまらず、日常診療で得られる膨大なデータを臨床研究に生かす目的でデータベースの整備にも注力しています。

隈病院では、電子カルテの不足部分を独自のデータベースが補完しています。医療機関のデータベースの整備が全国的な課題となる中、非常に使いやすいデータベースが診療情報管理科と管理課を中心に構築されているのです。

私は常勤として再入職したときから、内科とともに、診療情報管理科を兼任しています。統計解析を含むデータ処理などの技能を見込まれ、データベースの整備も担当させていただいております。私は医師がデータベースの整備に携わることで、診療や研究により役立つようなデータ管理ができるのではないかと考えています。このように診療のみならず、ほかの技術でも病院に貢献できることに大きなやりがいを感じています。

隈病院に恩返しをしていきたい

臨床の経験が浅い自分を受け入れてくれた隈病院には、いまでも感謝しています。また、私は一度退職し、再び戻ってきた身。そんな私をあたたかく迎えてくれた隈病院に「恩返しをしていきたい」という気持ちを日々もちながら働いています。

今後は先輩の先生方のように、珍しい症例もしっかり診ることができるようになりたいですし、診療情報管理科の一員としてデータベースの整備にもさらに力を入れていきたいと思っています。また、隈病院は研究もたいへん盛んで、多くの英文原著論文を次々と発表し、国内外の診療方針やガイドラインなどを決めるのにも貢献しています。大学との共同研究も視野に入れながら、ある程度落ち着いたら研究にも取り組んでいきたいです。

診療技術を向上させることはもちろんですが、これらのデータベースの整備、解析や研究でも、貢献していくつもりです。

このインタビューのドクター

京都大学薬学部を卒業後、京都大学 理学部の大学院へ進学。大学院3年生のときに大阪大学 医学部へと編入を果たす。市中病院などで経験を積んだ後、臨床検査診断学の医局員として医局からの紹介で隈病院に勤務を行う。最初の1年を常勤として勤務した後、研究に従事しながら非常勤医師として勤務を続けていたが、3年後、常勤として再び隈病院に入職。再入職後は、内科とともに診療情報管理科を兼任し、データベースの構築にも尽力している。

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