インタビュー

甲状腺超音波のスペシャリストとして第一歩を踏み出す

2年を経て、隈病院の医師に

私は医師9年目のときに、症例が多く集まる環境とアカデミックな活動に力を入れている点に惹かれ、隈病院に入職しました。2年を振り返ると、豊富な症例を経験することで診療スキルが格段に向上し、甲状腺の診療に自信を持てるようになりました。また、知識が増えたことで、院内のカンファレンスや学会でも、積極的に質問したり意見を伝えたりすることができるようになりました。

2年を経て、スタッフとして引き続き隈病院に残ることを決意したのは、日本を代表する甲状腺専門病院である隈病院で診療スキルをさらに向上させたいと考えたからです。隈病院では、若手であっても積極的にチャンスを与えてくれます。私も、国内外の各種学会で発表する機会をいただきました。病院全体でアカデミックな活動への手厚いサポート体制があることは、隈病院の大きな魅力でしょう。

また、病院側の理解があり週に1日の外部施設での糖尿病診療を継続できたおかげで、糖尿病専門医も維持することができています。

日本を代表する甲状腺専門病院の一員として

隈病院では、世界内分泌外科学会で理事長を務められている宮内昭院長を筆頭に、国際的に活躍する先生が何名もいます。自身も最近、宮内院長からご紹介を受け、オーストラリアの国際学会で発表する機会をいただきました。

学会発表は、世界中の医師と知り合うきっかけにもなるため、今後も積極的に参加していきたいと思っています。ただし、このように活動範囲が広がることで、「隈病院の医師」としての責任を感じる場面も増えてきました。私の発言が、「隈病院の意見」と捉えられることもあるからです。日本を代表する甲状腺専門病院の一員という立場に恥じぬよう、日々研鑽を積んで行きたいと考えています。

甲状腺超音波のスペシャリストとして第一歩を踏み出す

最近では、院内の超音波検査の代表的な立場も任され、甲状腺超音波のスペシャリストとしても少しずつ評価していただけるようになってきました。これまでに、日本乳腺甲状腺超音波医学会の学会誌への執筆を行ったり、学会のシンポジストを務めたりする栄誉にあずかりました。

甲状腺超音波の世界で、私の名前が認知されるようになったきっかけのひとつは、日本乳腺甲状腺超音波医学会による「ウルトラサウンドクイズ」です。これは、甲状腺超音波の画像を見て、診断結果を当てる企画です。私は過去に2回参加し、両方とも優勝することができました。甲状腺超音波の実力を客観的に評価されたことで、さまざまな依頼をいただけるようになりました。

今後は、甲状腺超音波の分野の知識や技術をさらに磨き、日本全体の甲状腺超音波検査のレベルアップにも貢献したいと考えています。

オンとオフのメリハリをつけて充実した日々を過ごす

隈病院では、診療や学会発表などさまざまな活動に携わりながらも、休暇をしっかり取得することが可能です。外来が長引いたり、緊急で呼ばれたりすることもほとんどありません。そのため、オンとオフのメリハリをつけて働くことができています。自分のライフスタイルを守りながら、充実した仕事に従事できる点は、隈病院で働く魅力のひとつです。

また、隈病院では、福利厚生の一環として懇親会旅行を毎年開催しています。私も1年目に台湾、2年目にフィリピンへの旅行に参加しました。2泊3日で、様々な職種のスタッフと楽しい時間を過ごしたことは、とてもよい思い出です。

継続的に国際学会で発表していきたい

今後も、日々の診療レベルの向上に努めながら、引き続きアカデミックな活動にも積極的に取り組んでいきたいと思っています。当面は年に1回程度は国際学会で発表の機会を持つことが目標です。そのためには英会話にも力を入れていきたいです。

また、私は現在、「甲状腺の微小がん患者のQOL・心理に関する検討」をテーマに研究を行っています。研究の内容は、甲状腺の微小がんの患者さんの中でも、手術を受けた患者さんと経過観察中の患者さんの心理面の差についてです。この研究を論文としてまとめることが、今の大きな目標です。

隈病院は日本を代表する甲状腺専門の医師が多数所属しています。それだけではなく、臨床検査技師や看護師、その他の専門スタッフもとにかく甲状腺に詳しい方ばかりです。カンファレンスをはじめ、日々、活発な議論が行われています。私も少しでも先輩方に近づき、国際的に活躍していけるよう、今後も隈病院で研鑽を積んでいきたいと思います。

このインタビューのドクター

岐阜大学医学部を卒業後、岐阜県内の一般総合病院の糖尿病・内分泌内科に進む。甲状腺を自身の強みにしたいと考え、医師5年目のときに野口病院(甲状腺専門病院)へ入職。甲状腺の診療経験を積み、甲状腺内科医としての基本を身に付ける。その後、症例数が多く、学術面にも力を入れている点に魅力を感じ、隈病院へ。隈病院に入職後は、甲状腺を専門的に修練しながら、糖尿病の診療と研究も継続。臨床経験を積むとともに、学会発表や論文執筆などにも力を入れている。2022年7月隈病院を退職。

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